「コンビニ市場は飽和なのになぜ」という声もあるが…。セブンが1000店舗も増やす本質理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(写真:ブルームバーグ)

日本の消費者は魚食、生食文化があるため、昔から鮮度を敏感に感じ取って店を選ぶという傾向があった。そして、高度成長期にスーパーが発展していく過程で、インストア加工のチェーンが、センター集中加工(加工センターで小分け、パック詰めした商品を並べる)を選択したチェーンを駆逐した。

この事実は「都市伝説」となり、業界では、生鮮品をセンターでパックして店舗に配送することを忌避するようになった。日本のスーパーは、各店舗に作業場を必要とするため、加工工程を集中化により効率化することができず、規模の利益が働かない労働集約的な業界となった。

デフレの時代には業界ではパート、アルバイトによって人件費を抑制して経営を維持してきたが、近時の人手不足、人件費高騰によってこのオペレーションは維持が難しくなっている。並行して、光熱費の高騰、原材料高騰による価格転嫁の遅れなどもあって、スーパーは従来どおりの手法では維持できないようになってきた。

まいばすけっとが急拡大できた理由

人口減少高齢化により人手不足、人件費上昇はデフレの時代から進み始めていたため、大手スーパーでは、加工センターの導入を進めて、加工工程を細分化して、後工程だけを店舗に残すやり方で人手不足を補う準備を進めていた。やむにやまれず、大手スーパーではセンター集中加工&配送への移行の準備を進めていたのである。

ここで、バックヤードを持たず、センター加工&配送、陳列という、いわばコンビニと同様のスーパーが消費者に受け入れられたという事例が生まれた。それが、イオンまいばすけっと(まいばす)、というミニスーパー実験の成功である。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事