「これなら自分でやったほうが良かった」をなくすマネージング術 仕事ができる人の“委任”の考え方とは

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その糸口となるのが「パレートの法則」と「プライオリティ・マネジメント」の考え方です。

パレートの法則とプライオリティ・マネジメント

部下をもったらいちばん最初に読む本
『部下をもったらいちばん最初に読む本』(アチーブメント出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

パレートの法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート氏が発見した統計モデルで「全体の2割の要素によって、結果の8割が生み出されている」というものです。「80:20の法則」とも呼ばれます。

仕事に置き換えるなら「実行すべき業務のうちの2割の優先事項をきちんと実行することが成果の8割を決定する」という原則です。

では「2割の優先事項」とは何か?

これを解き明かすための考え方がプライオリティ・マネジメントです。プライオリティ・マネジメントとは「自分の行動に優先順位づけをしていく技術」のことです。

すべての行動は「重要度」と「緊急度」で分けることができます。度合いの「高い/低い」をそれぞれマトリクス化すると、次の4つの象限に分けられます。

※外部配信先では図表や画像がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンラインでご覧ください。

(画像:『部下をもったらいちばん最初に読む本』より)
・第1象限:重要度が高く、緊急度も高いもの
・第2象限:重要度が高く、緊急度が低いもの
・第3象限:重要度が低く、緊急度が高いもの
・第4象限:重要度が低く、緊急度も低いもの

成果を出すために外してはならないのは「第2象限:重要度が高く、緊急度が低いもの」の仕事です。

マネジャーが委任する技術を使って「本当にやるべきこと」として実行するべきなのはこの「第2象限の仕事」です。

第1象限の仕事が第2象限の仕事以上に山積みになっていると、第1象限の仕事を優先的にこなそうとなり、第2象限の仕事に目を向ける余裕がなくなるときがあります。

この解決策としては「第1象限の仕事を委任する」以外にありません。ですが、メンバーのことを自分の駒だと認識していると、うまく委任することはできません。自分がやりたくない仕事ばかりを押しつける結果となります。

そうではなく、委任する仕事は第1象限の仕事であっても、委任するときの目的は「それによってメンバーの成長の機会につながること」に意識を向けなければいけません。

まずはこのことを認識するようにしましょう。

橋本 拓也 アチーブメント取締役営業本部長・トレーナー

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はしもと・たくや / Takuya Hashimoto

千葉大学卒業後、2006年アチーブメントに入社。入社1年目で新規事業の責任者に抜擢され家庭教師派遣事業を立ち上げるも、5年で事業閉鎖。2008年よりメンバーマネジメントに携わるが、異動・退職などが多く、7年間マネジメントの無免許運転期間を過ごす。その後、世界60カ国以上で学ばれる「選択理論心理学」を土台にしたマネジメントに取り組み、マネジメントが激変。メンバーおよび組織の飛躍的な成長を創り出し、2021年に新卒初の執行役員、2022年に取締役に就任。現在は130人以上のメンバーマネジメントに携わる。2023年に開講したマネジメント講座は1年でシリーズ累計1000人以上が受講。また、企業経営者や管理職、ビジネスパーソンらが年間1.8万人以上受講するセミナー『頂点への道』講座シリーズのメイン講師を務める。これまでに研修を担当した受講生は3万人にのぼる。

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