「賃料相場は30万円台、売ったら2億円以上」「購入価格の倍以上に値上がり」だが…豊洲のタワマン”買って20年弱”の正直な感想とは?住人に聞いた

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管理組合は毎月のように会合がある。意見集約が大変とはいえ、修繕費値上げなどの際は大きな反対もなく決まっているという。

男性のように、普段の仕事が忙しいために管理組合に巻き込まれたくないという住民が多いからか、

「ムダな調整も意外と起こりにくい。これはタワマンのような大規模マンションの特徴かもしれません」

豊洲
“水辺の街”であることも人気の理由(写真:筆者撮影)

避けて通れない「修繕問題」

タワマンの完成から十数年が過ぎ、管理組合にとって今後大きな問題になってくるのが修繕である。

マンション修繕費の値上げは一般的に10年に一度くらいだといわれる。だが、今は物価が上がっているので、その間にどんどん予算が上がってしまう。男性が説明する。

「先日はマンション共有部分のエアコンが交換の時期でした。大規模修繕は2年くらいやっていたと思います。マンション全体では30年間の長期修繕計画が必要で、5年に一度は見直しをすることになっています。

管理会社の意向や提案を踏まえ、最終的には管理組合で決めていく。ただ、大規模なマンションはこのあたり、強制的に修繕をやられることになるので、ある意味楽な部分もあります」

どんどん管理費や修繕費が上がるのも困るが、そうは言っても管理業務には巻き込まれたくない。長年タワマンに住む住民の大多数は、管理組合に静かに賛同するほかないのが実情のようだ。

後編では、築20年弱のタワマンが現在抱える問題をさらに深掘りする。

岩崎 貴行 ジャーナリスト・文筆家

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いわさき たかゆき / Takayuki Iwasaki

1979年埼玉県生まれ。2003年早稲田大学政治経済学部卒業、同年日本経済新聞社に入社。政治部、金沢支局、社会部を経て、2013~2020年文化部で音楽(ジャズ・クラシックほか)や文芸などを担当。さいたま支局キャップ、地域報道センター次長も務めた。2024年9月に同社を退職し、同年10月から出版社勤務。専門は音楽を中心とする芸術文化で、音楽雑誌やネットメディアなどへの寄稿多数。東日本大震災、福島第1原発事故などの取材に関わった経験から、環境問題、地域振興などへの関心も高い。

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