「仕事量が減る人も多いが…」二宮和也が“事務所独立”でもまったくペースダウンしない事情
こうした姿を見ても、二宮はいつも平常心というか、フラットだ。気張らず、肩の力が抜けている。ただ、そうはいっても他人に対して無関心なわけではない。むしろ逆だ。二宮はこう語る。
「僕は(中略)誰かの機嫌とか何か起こったことに反応して展開していきたい人間だから、自分自身の機嫌や感情が動いてしまうと計算ができなくなる」
他の出演者が不機嫌そうにしていたら、気を遣ってふれないようにするのではなく、むしろ機を逃がさずイジって面白くしたい。そのためには自らの機嫌や感情は動かさないようコントロールしておきたい。だから二宮和也は常にフラットでいようとする。
このあたりは、同じMCとしてタモリを思い起こさせるところもある。タモリもまた、自らが前面に出るというよりは、横から他の出演者を絶妙の間合いでイジることで番組を盛り上げる。やはりきわめてフラットである。観察力の鋭さという点で、2人は資質として近いものがあるのだろう。
自分を“商品”と形容する
たとえば、最近の『ニノさん』では、二宮はTHE RAMPAGEの浦川翔平の一挙一動がツボらしく、VTRでリポートする浦川を見ていつも笑っている。だが他の出演者の反応はそれほどでもなく、先日の放送では「オレだけなんだよなー、笑ってんの」と言っていた。だがそのことを特に気にする風もない。
このことからもうひとつ言えるのは、二宮は万人にウケようとは思っていないということだ。自分の考える面白さを受け入れてくれる人だけを意識している。
「僕は、基本的に自分のコミュニティーのなかにいる人が喜んでくれればそれでよくて。簡単に言うと、ファンクラブに入ってくれている人、YouTubeで『よにのちゃんねる』を登録してくれている人、Xでフォローしてくれている人とか、そういうコミュニティーの人たちが楽しんでくれればいいんだよ」。
コミュニティーを楽しませるために、SNSで徹底的にエゴサーチもする。称賛の言葉を探すためではない。むしろ二宮にとってエゴサーチは、あえて「否」を探すためのもの、「修正点を見つけるためのもの」だ。本のなかでも、二宮は自分を“商品”と形容する。ここまで自分を客観視できる冷静な人も珍しいだろう。
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