「仕事量が減る人も多いが…」二宮和也が“事務所独立”でもまったくペースダウンしない事情
さらに8月9日には、戦後80年を迎えてのNHKの生音楽特番『MUSIC GIFT 2025 ~あなたに贈ろう 希望の歌~ 』の司会を二階堂ふみらとともに務めた。
2017年には個人で『NHK紅白歌合戦』の白組司会を務めたこともあるので音楽番組のMC経験も十分だが、このタイミングでの大型音楽特番への起用には最近のMCとしての充実ぶりもあるだろう。
そして今年6月には『独断と偏見』(集英社新書)を刊行し、現在も新書部門では売り上げ1位を続けるなどベストセラーになっている。写真やエッセイで構成されたタレント本の類ではなく、活字のみの新書であることにまず驚かされる。
このなかには、「ジャニー喜多川に、誠心誠意をこめて謝ってもらいたい」という言葉もあり、ネットニュースなどでも取り上げられた。
二宮が事務所から独立した背景には、いうまでもなくジャニー喜多川の性加害問題に端を発した一連の騒動がある。二宮にとっても、自分が所属していた事務所がなくなったことは「やっぱり衝撃」だった。そして独立後の1年は「世間様が二宮を見定める『お試し期間』だった」と言う。
ただ、『独断と偏見』の興味深い点は、それだけではない。ライターなどを介さず、自らの言葉でさまざまな問いに答える二宮の語りはリアルで、「二宮和也」という人物を知る手引書のような本だ。
以下でも、この本で語られる仕事の流儀や人生観を参照しながら二宮の最近の仕事ぶりを探ってみたい(以下、二宮の言葉の引用はすべて『独断と偏見』からのもの)。
フラットさが生み出す独特のMCスタイル
二宮和也のMCスタイルは独特だ。自らが中心になっててきぱきとトークや企画を進行させていく印象があまりない。『ニノさん』でも、そうした役割は陣内智則などに任せ、自分はずっとゲームを楽しんでいたりする。

さらにそのパターンをそのまま番組の趣向にしたのが『ニノなのに』である。この番組では、有名俳優など毎回のゲストが「司会」を務める。「ゲストなのに司会」というわけである。
本来のMCである二宮は、ほとんど番組の進行にかかわらない。こちらでもただゲストとのトークに参加したりするだけである。
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