東京で「一番混む地下鉄」は?鉄道混雑ランキング 2024年度・100%以上の全国147区間を全比較
首都圏の大手私鉄も、コロナ禍前と比べると混雑率上位路線の顔ぶれは変わっている。大手私鉄各社と、今年合併によって「京成松戸線」となった新京成電鉄、混雑率上位常連だったつくばエクスプレスの計26区間を比較すると、その変化は明らかだ。
以前は田園都市線をはじめとする東急電鉄の各線が上位を占めていたが、2024年度の1位は小田急線。輸送人員は首都圏の大手私鉄各線の中で唯一7万人を超えており、利用者数そのものが圧倒的に多い。一方で混雑率は146%に抑えられており、2018年に完成した複々線化の効果は大きいといえそうだ。

混雑率146%で小田急線と並ぶのはつくばエクスプレス。同線の青井→北千住間の輸送人員は3万353人で、2019年度の3万1324人とほぼ同水準まで利用が戻っている。同線は増発によって2019年度よりも輸送力が増えたため、以前と比べて混雑率は改善されているが、さらなる輸送力増強に向けて車両編成を現在の6両から8両に増やすためのホーム延伸工事などを進めている。
「混雑悪化」のペースは鈍化
再び当たり前となってきた通勤電車の混雑。ただ、3大都市圏主要路線の平均混雑率は、東京圏が2023年度比で3ポイント増の139%、名古屋圏が3ポイント増の126%、大阪圏が1ポイント増の116%と小幅の増加にとどまった。混雑悪化のペースは鈍化している。
2022年度から2023年度にかけては東京圏が13ポイント増など大幅に上昇していたことを踏まえると、通勤需要の回復はほぼ落ち着いたといえそうだ。今後の混雑対策についての議論は、現在のラッシュの状況をベースに輸送力の増強やオフピーク通勤など各種の対策をどう充実させていくかが焦点になるだろう。

無料会員登録はこちら
ログインはこちら