東ソーがリチウムイオン電池材料で攻勢、EV拡大に商機あり

電解二酸化マンガンもマンガン酸化物も、アフリカや南米などで採れるマンガン鉱石から精製する。その過程では鉱滓(こうさい)と呼ばれ、産業廃棄物に指定されるくずが出るため、専用処分場(上写真)が必要となる。東ソーは東京ドーム1杯分の処分場を確保しており、今の生産規模で約50年の埋設が可能だ。参入障壁は高く、今後、ほかの日本企業が参入するとは考えにくい。

ボリュームはケタ違い リン酸鉄リチウムも対応

また、電解二酸化マンガンの場合、EV1台には約50キログラムが使われ、1個約10グラム程度の乾電池とケタが違う。東ソーは電解二酸化マンガンとマンガン酸化物を併売し、マンガン酸化物のさらなる増産も視野に入れているようだ。マンガン系材料は、ディーゼル車排ガス触媒向けのハイシリカゼオライトなどとともに、10年度で売上高618億円の高機能材料事業を、一段と拡大していく牽引車となりうる。

車載用電池の正極材向け原料としてはリン酸鉄リチウムも有力とささやかれるが、東ソーはグループ企業でリンの生産も手掛けており、こちらも対応できる。さらに、日系を中心とした複数の正極材メーカーと、幅広く取引関係を構築できる強みもある。EVを軸に車載用電池市場が広がるほど、東ソーの商機が拡大するシナリオは十分成り立つだろう。

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(本誌:武政秀明 =オール投資2012年4月15日号より)

記事はオール投資執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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