ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと 本田直之著

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こうした著者の経験や成果を例に挙げながら、Chapter2以降はノマドライフを実現するための具体的なトレーニング法を公開している。例えば、週に一回会社に行かない日を作る、机の引き出しを空にする、半分の生活費で生活する、所有物を半分にする、ひと回り以上違う世代と付き合う--など、家庭や会社の事情によっては難しいこともあるが、少なくとも会社を辞めずに今すぐ挑戦できることばかりだ。

実際にノマドライフへ移行するかどうかは別として、これまでの仕事の仕方・おカネや時間の使い方・思考法などを改めて見直すのにも絶好のトレーニング内容となっている。特に単調な毎日を過ごしている人にとっては良い刺激となるだろう。

だが、残念なことに農耕民族である日本人は、狩猟民族であった欧米人に比べて定住志向の持ち主が多いため、そもそもノマドライフに向いている民族とは言い難い。「自由よりも一定の年収や安定を望む人、肩書きに弱い人もノマドライフに向いていない」と著者も指摘する。

とはいえ、今は安定の保障などどこにもない時代。終身雇用制度は崩壊し、年金制度も破綻寸前と言われて久しい。そこへ東日本大震災が起きた。会社にも社会にも頼れないこの時代、経済成長が右肩上がりだった頃の価値観を維持していくことはおそらくリスクとなるだろう。

「将来のセーフティネットとして、ノマドライフを知り、ある程度の準備をしておいても損はない」と著者もアドバイスしているが、世の中の大転換期ともいえる今を生き抜く手掛かりが欲しい人にこそ読んでほしい一冊である。

朝日新聞出版 1470円

(フリーライター:佐藤ちひろ=東洋経済HRオンライン)

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