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〈戦後80年〉当事者ではないからこそ…"アウシュヴィッツ唯一の日本人ガイド"が語る記憶の継承 「『平和は大事だ』で終わらせない」

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――解放から80年が経ち、ガイドを続ける中で記憶の継承の難しさを感じていますか。

「80年が経ってどうするんだ」というようなことは、70年の時も、60年の時も聞かされていますが、僕が怖いと思っているのは、今年の追悼式典で、生還者の方がスピーチで「今の世界の雰囲気が当時自分たちの経験した雰囲気に似ている」と言ったことです。

当時の状況が迫っていると言う人がいる。われわれの生活したあの雰囲気に似てきたぞ、気をつけろ、早く反応しないといけないぞ、と。歴史を継承するといった次元ではなくなっている可能性がある、と生還者が言っているわけです。

中谷剛(なかたに・たけし)/1966年兵庫県生まれ。1991年からポーランドに居住し、1997年にポーランド国立アウシュヴィッツ・ミュージアムの公認ガイド資格を取得。現在、同ミュージアムの日本語ガイド。オシフィエンチム在住。著書に『ホロコーストを次世代に伝える』(岩波書店)など(記者撮影)

――ホロコーストを起こしたナチスは極端な自民族至上主義を掲げ、民主主義国家であったワイマール共和国時代に、国民の支持を受けて台頭しました。愛国的で過激な言動が支持を集めるといった現象は、最近世界で目立つように感じます。

それぞれの時代にそれぞれ問題があるので、いま極端に悪くなっていると思わないですけど、決してよい方向には向かっていないと思います。

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