夏場にモバイルバッテリー発火事故が急増する理由。手持ちの製品がリコール対象か確認する方法と安全な選び方

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大手メーカーでも油断できない。Ankerは今年6月に日本でもモバイルバッテリー4製品の大規模リコールを実施した。「Anker Power Bank(20000mAh)」「Anker 334 MagGo Battery」など、対象は数万台に及ぶ。中国での電池セルサプライヤーによる不適切な部材使用が原因で、同社は世界で115万台以上を回収している。

NITEによれば、リコール製品の事故は5年で363件も起きている。

手持ちの製品がリコール対象かどうか、確認方法は簡単だ。製品の裏面を確認すると型番が記載されている。

消費者庁のリコール情報サイトで型番や「モバイルバッテリー」といったキーワードで検索できる。メールサービスに登録すれば、新着のリコール情報も受け取れる。

消費者庁 リコール情報サイト
消費者庁のリコール情報サイト(筆者によるスクリーンショット)

型番が摩耗して読み取れない場合は、購入履歴から確認する方法もある。通販サイトの注文履歴やレシート、クレジットカードの明細などが参考になる。

メーカーの公式サイトも確認したい。多くの場合、トップページに「重要なお知らせ」として掲載されている。専用の回収フォームを設置している企業も多い。

リコール対象製品と判明した場合は、直ちに使用を中止し、メーカーの指示に従って返送する。送料を含めて無償で対応されることがほとんどだ。

捨て方も知っておこう

ゴミ収集車で発火する事故もある。圧縮されて火が出ると、作業員が危険にさらされる。

まずリサイクルマークを確認する。JBRCのマークがあれば、家電量販店やホームセンターの回収ボックスへ持ち込む。協力店はJBRCのサイトで探せる。

マークがなければ自治体のルールに従う。多くは「有害ごみ」として扱われる。燃えるゴミに混ぜるのは絶対にダメだ。

捨てる前に電池を使い切ることも大切だ。満充電より放電状態のほうが安全になる。最後は電極をテープで絶縁する。

夏休み前に、手持ちのモバイルバッテリーをチェックしよう。型番確認、リコール検索。少しでも膨らみや変形があれば買い替え時。

モバイルバッテリーなしの生活は考えられない。だからこそ正しく付き合う。購入、使用、廃棄。すべての段階で安全を意識すれば、事故は防げる。

山手線や水戸駅のような事故を繰り返さないために。この夏は、バッテリーの健康にも気を配ろう。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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