未婚化、少子化、そして地方創生… 日本が抱える大体の大問題は「県人会」を活用すれば解決できる

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高度成長期から止まらない東京一極集中
「どこかに故郷の香をのせて 入る列車のなつかしさ」――。これは、青森県弘前市出身の井沢八郎が歌った「あゝ上野駅」(作詞・関口義明、作曲・荒井英一)にある最初の一節である。
東京オリンピックが開催された1964年に発売されたこの曲は、人手不足に直面していた高度経済成長期に、東北から上京し「金の卵」と呼ばれた若者たちの心情を見事に描いている。上野駅は「くじけちゃならない人生が あの日ここから始まった」という決意を胸に、新しい生活への第一歩を踏み出した原点であった。
「上野は俺らの心の駅だ」という歌詞のとおり、この曲は彼らの心をつかみ、100万枚を超える大ヒットになった。集団就職で上京した中小企業経営者らが建立した、上野駅・広小路口前にある歌碑に描かれたC62形蒸気機関車と学生服姿の「金の卵」たちのレリーフはその時代を物語る。
彼らは、主に工場や商店で活躍した。今も上野駅の常磐線、宇都宮線、高崎線のホーム(16・17番線、13番線)では「あゝ上野駅」の発着メロディーが流れている。「あゝ上野駅」から60年余りの年月を経ても東京一極集中は止まらない。
少子化問題に取り組む専門家で構成される人口戦略会議は、子どもの生まれる数が少ないのに人がたくさん入ってくる自治体を「ブラックホール型自治体」と呼んでいる。2024年4月の公表データによると、東京23区のうち、新宿区や渋谷区など16区がこれに該当する。
東京一極集中は、地方から若者をひきつけ、地方経済の衰退を加速させた。東京圏の高い物価や生活費は、子育てしにくい環境を生み出し、結果的に少子化の一因となっている。
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