未婚化、少子化、そして地方創生… 日本が抱える大体の大問題は「県人会」を活用すれば解決できる

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東京都が発表した「結婚に関する意識調査」(2023年)では、結婚していない人の約半数が「結婚したいと思わない」と答えており、その理由として「結婚することのメリットを感じない」「一人の生活に満足している」といった意見が上位を占めている。結婚しないことの理由は複雑であり、個人の価値観や選択、そして多様な生き方があるという点を理解する必要がある。

実業家のホリエモンこと堀江貴文氏は、結婚する人が減っているのは、「今は子育てよりも楽しいことがたくさんあるから」と発言している。この見方にも一理あるだろう。

確かに東京は、娯楽、小売店、飲食店などに困らず、無意識か否かを問わず、孤独を忘れさせてしまう。楽しいことだけでなく、本社機能が集中するビジネス集積地である東京においては、仕事に夢中になるあまり、異性との出会いを逃す人も少なくない。

経済状況の変化、家庭事情なども影響している。例えば、就職氷河期世代に見られたような経済的な不安定さが結婚を難しくしたケースや、親の介護といった家庭の事情から結婚に踏み切れないケースも増えてきた。。

これらの要因に加えて、社会認識の変化も大きい。

かつては結婚が社会的なルールとして強く意識された時代もあったが、今はその意識が薄れ、個人の選択肢の1つとして多様な生き方が受け入れられるようになった。こうしたさまざまな背景を持つ人が、それぞれの事情で結婚を選んでいない実態を理解することが大切だ。

東京にいても故郷の異性と付き合えばよいという意見も聞かれるが、現実には東京と地方を往復する交通費や時間の確保など多くの難しい点がある。

故郷にいる間にお互いの想いが深まっていれば、遠く離れ離れになったとしても、遠距離恋愛として続く可能性はある。ところが、一度も会ったこともない人を紹介されたり、婚活アプリなどで出会ったとしても、オンライン中心の遠距離交際では恋心がなかなか芽生えないのではないか。

「東京の中の地方」に解決の糸口

ここで注目すべきは、東京に存在する「県人会」のような「東京の中の地方」である。これは、方言を使っても標準語にも慣れた同郷人の集まりであり、東京の文化や習慣から切り離された集団ではない。アメリカの移民と違うのは、地方からの移住者が年に何回か故郷と東京を行き来し、それぞれの文化や習慣を身につけ、両方の地域に影響を与え合っている点だ。

東京には、県人会だけでなく、地方大学の東京校友会、小さな郷土料理もたくさんある。これらの「東京の中の地方」は、地方出身者にとって、方言や地域の文化を共有できる貴重な場所であり、心が安らぐ非公式な組織である。

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