未婚化、少子化、そして地方創生… 日本が抱える大体の大問題は「県人会」を活用すれば解決できる
若い人が東京に出てくる理由は、憧れ、進学、就職、転勤など、さまざま。その中で意外に多いのが「ここから出たかった」という動機だ。
生まれ育った土地では、一度ついた評価やイメージはなかなか変わらない。地方には地方特有の人間関係や上下関係があり、一度見下されると、その関係性が固定されてしまうこともある。
地域の高校間で上下関係が強く存在することが、1つの例として挙げられる。とくに地域一番校の出身者は「頭がいい」と見られる傾向がある。二番手、三番手の高校出身者でも、その後の努力で大きく成長し成功する人がいるにもかかわらず、そのような見方をされやすい。
一方、東京では名門高校卒を自ら口にする人はいるが、「どこの高校出身ですか」と聞かれることは日常会話ではほとんどない。もっとも、地方の高校名を聞いたところで、よほどの有名校でないかぎり、詳細を知る人は限られる。この一件だけを捉えても、「ここから出たかった」人は上京後、解放されたと感じたのではないか。
「ここから出たかった」といった思いはなくても、東京へ出からには大きく羽ばたきたいという夢を抱く人は多い。「あゝ上野駅」の歌詞の結びはこうだ。
「お店の仕事は辛いけど 胸にゃでっかい夢がある」
高度成長期と現在は違うだろうという意見は否めない。だが、このような熱い思いを抱いて地方から東京へ来た移住者たちが、東京を大きく成長させているという現象は現代でも見られる。
今も変わらない地方出身者が抱く東京への違和感
「あゝ上野駅」がヒットした頃と比べて、意外と今も変わっていないのが、異文化の地における孤独とカルチャーショック、とくに人間関係における違和感だ。
今、東京都民の約40%は地方出身者である(東京都総務局統計部「東京都の人口(推計)」2025年1月1日)。外国人の割合も約4.7%(同)と日本で一番国際的な都市であることから、多様な人を受け入れる土壌はほかの地方都市に比べて熟成しているといえよう。
東京の人口構成において地方出身者が大きな比率を占めているということは、一人暮らしの独身が多いという現実に通じる。これが、未婚に関係している可能性は高い。
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