貨物列車「車軸折損」少しずつ見えてきた事故原因 輪軸組立作業の不正行為は折損とは無関係だった

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車軸折損による脱線事故を起こした電気機関車EF210形341号機と連番の342号機 (筆者撮影)

不正行為が多くの鉄道事業者で確認されたが…

2024年7月24日、山陽本線新山口駅構内において、上り貨物列車(電気機関車1両+コンテナ貨車23両)の電気機関車6軸のうち先頭1軸が進行方向左側に脱線、車軸が折れていた。国の運輸安全委員会が列車脱線事故として調査を開始、2025年6月26日に「経過報告」という形で事故調査についての経過が公表された。事故の概要やその後の対応の問題点については「東洋経済オンライン」2024年12月3日付拙稿(貨物列車の「車軸折損」、本当の原因は何なのか?)をご覧いただきたい。

輪軸組立作業については上記拙稿に詳述しているが、その作業における車輪の圧入力が基準値を超過した場合、検査結果を基準値内のデータに差し替えるなど、不正行為が調査の過程で明らかになった。

国土交通省が全国の鉄道事業者に対して緊急点検を指示した結果、不適切な事案が確認された事業者は91、そのうち改ざんは50。調査対象の事業者156のうち約6割で不適切な事案があった。しかし車軸折損との因果関係は不明だった。

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