故・山崎元氏が最も信頼した個人投資家・水瀬ケンイチ氏が伝授…「人生100年時代」に身につけたい、失敗しない《資産の取り崩し方》
株式が下落しているからなどといって、債券や現金から取り崩してしまうと、年を追うごとに株式比率が逆に上がり、よりアグレッシブな資産配分になってしまう。かといって、株式から優先的に取り崩してしまうと、年を追うごとにディフェンシブな資産配分になってしまい、資産寿命を早めてしまう。
たとえば、株式60%:債券40%ならば、売却後に、この比率になるように株式と債券をバランスよく売却していくのが合理的だ。
資産はいつか売却して「使う」もの
どのインデックスファンドから売却すればよいだろうか。私のように古参のインデックス投資家は、同じ資産クラスの中に、たくさんの銘柄が残っている場合もあるだろう。
答えは、古い世代の信託報酬が高めのインデックスファンドから順番に売却するのが合理的だ。取り崩しの過程で、古い世代の高コストファンドが減っていくことで、残存資産全体の運用コストが下がっていき、運用効率を最大化していくことができるのだ。
取り崩す順序を決める際に、各ファンドの含み益の大小、つまり課税される金額の大小を気にする人がいる。
しかし、資産はいつか売却して「使う」ものであり、売却益にかかる税金は遅かれ早かれいつかは払うのだ。投資の終盤においてはあまり気にする必要はない。それよりも、高コストな古い世代のファンドから取り崩していこう。
資産形成のゴールは単に「お金持ち」になることではなく、自分らしい人生を送るための自由を手に入れることである。その意味では、投資の終盤で、資産の取り崩しを躊躇うことは馬鹿げている。自分らしい人生を送るために、築き上げた資産は、最終的に取り崩して有意義に使ってこそ活きるのだ。
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