故・山崎元氏が最も信頼した個人投資家・水瀬ケンイチ氏が伝授…「人生100年時代」に身につけたい、失敗しない《資産の取り崩し方》

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【①「引退時の資産×4%」の定額取り崩し】

「引退時の資産×4%」の定額取り崩しとは、引退時の資産×4%に相当する金額を定額で取り崩していく手法だ。

定額取り崩しのメリットは、常に定額を取り崩すために結果がわかりやすいことだ。金額が決まっているので、いくら取り崩せば良いか計算する手間が省け、一定の生活水準を保つことができる。生活費の不足分を補いたい場合、取り崩せる金額が決まっていることは安心感にもつながるだろう。

一方、定額取り崩しのデメリットは、相場の状態によっては、資産を多く取り崩してしまう事態になることである。下落相場や暴落局面が続くと、資産全体の評価額が下がり、安い時に多くの資産を売却してしまうことになる。

これにより、資産寿命を短くしてしまい、当初に予定していた期間よりも早く資産が尽きてしまう可能性が否定できない。積立時の定額積み立てであるドルコスト平均法の効果が、取り崩し時には逆に働いてしまうことになるのだ。

運用資産が十分にあり、資産寿命の枯渇が気にならない人は、わかりやすさを重視したこの方法で取り崩してもよいだろうが、それほど大きな資産を築ける人ばかりではないだろう。

「退職後の期間」はどんどん伸びていく

【②「毎年の資産残高×4%」の定率取り崩し】

「毎年の資産残高×4%」の定率取り崩しとは、毎年の資産残高×4%に相当する金額を定率で取り崩していく方法だ。私も将来、この方法で取り崩していく予定であり、お勧めしたい。

定率取り崩しのメリットは、定額取り崩しのデメリットである相場が安い時にたくさんの資産を売却してしまうというリスクを回避できることだ。定額切り崩しと比較して、資産寿命をより長く維持することができる可能性が高くなる。

一方、定率取り崩しのデメリットは、相場の状態により取り崩せる金額が毎年変わってしまうことだ。また、下げ相場時や、資産全体の残高が減ってきた場合、取り崩せる金額が減少する。生活費がぎりぎりの方にとっては、あまり都合がよくないかもしれない。

資産の取り崩しは、人生をより楽しむための小遣いという目的であれば、多少の金額変動は気にしなくても良さそうだ。取り崩せるお金の範囲内で人生を楽しめばよい。

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