JR貨物、ライバル「自動運転トラック」と連携の背景 関東―関西間の高速道路で国内初の商用運行開始

JR貨物が自動運転トラックとの連携を進めている。6月20日から24日にかけて北海道―関西間で実証実験を行った。7月14日からは関東―九州間において実証実験が始まった。貨物輸送においてライバル関係にある鉄道とトラックがなぜ協力するのか。その背景を探ると、物流業界を取り巻く激変の状況が見えてきた。
鉄道貨物は「安定性」に課題
環境問題やトラック運転手の「2024年問題」など物流業界を取り巻く環境は明らかにJR貨物に追い風である。にもかかわらず、JR貨物はこの状況を享受しているとは言いがたい。
国はモーダルシフト(トラック輸送から鉄道貨物への転換)を進め、2023年にJR貨物のコンテナ輸送量(重量に輸送距離をかけ合わせたトンキロベース)を10年程度で倍増する目標を掲げた。10年で倍増ということは、年平均でおよそ8%ずつ増える必要がある。それに合わせてJR貨物も2024年度にコンテナ輸送トンキロを前期比7.5%増やすという目標を掲げたが、実際には0.5%増にすぎなかった。2025年度は2024年度の目標から12%増という目標を掲げているだけに、10年で倍増という目標は遠のくばかりだ。
目標未達成の理由の1つに、荷主が鉄道貨物輸送の安定性を不安視していることが挙げられる。
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