サングラス型ディスプレイ市場でXREALがトップを走る理由。87gの軽の「XREAL One Pro」はソニー製マイクロOLEDを採用、空間に大型画面を表示する仕組みとは
理由は、製品を小刻みに出して進化させていく戦略と、そのアピールにある。
ガジェット関連のYouTube動画やウェブメディアで見かけることが多い製品なのだが、日本やアメリカなど主要国での広報宣伝体制がしっかりしてきているから、という部分が大きい。
Googleと組んで「空間コンピューティング」を目指す
まだまだ進化する領域であり、機能の進化も速い。そのためXREALは、ここ数年は年に2、3点の製品を発売し続けている。「間隔が短くてどれを買うべきか迷う」という声も聞かれるが、それだけ積極的に製品展開をしている、という話でもある。
特に今年は「XREAL One」「XREAL One Pro」を発表し、勝負をかけた。
新製品であるXREAL One Proは、視野角を57度まで広げた結果、「この種の製品は視野が狭い」という印象の払拭に努めている。
視野角の広い製品にはライバルも追いつこうと努力しているが、XREALはさらに先に進む。Googleと協力関係を作り、2026年の初頭には「Android XR」対応の新製品「Project Aura」を発売する計画だ。

同社のチー・シューCEOは、筆者との取材で次のように答えた。

「XREAL Oneは『空間ディスプレイ』を目指したもの。誰もがシンプルに、どんな機器でも使えることが美点だ。一方でProject Auraは、より没入体験ができる『空間コンピューティグ』を目指す」
空間コンピューティングとは、アップルやMetaがXR機器で目指す世界であり、現状では難しい「ARグラス」そのものである。現状の製品よりもProject Auraは高度なことができるが、価格などで差別化される可能性は高い。
Googleは今年の5月、開発者会議「Google I/O 2025」で、今年からMetaやアップルと本格的に競合する方針を打ち出したが、その武器が「Android XR」というプラットフォーム。この種の機器はなかなか数を伸ばせていないが、ここからの数年で品質とサイズ、価格のバランスが改善すると見られている。さらに、周囲の状況や音声をAIが把握することで、アシスタント的機能を担うともみられている。
さらに周囲の状況や音声をAIが把握することで、アシスタント的機能を担うともみられている。市場が本当に大きくなるのは、それら「次世代型製品」が多くの人に手に届く価格になった頃だろうか。

Android XRの製品化パートナーとしてはサムスンが参加しているが、XREALもそれに続く存在になっている。
中国系の他のライバルに対してどこまで先を走り続けられるか、そして、Googleとともにどこまで新プラットフォームを浸透させられるかが、XREALの将来を担っている。当面同社の積極展開は続きそうだ。
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