短くわかりやすいスローガンが有権者に刺さる姿はまるで「小泉旋風」、国民民主党&参政党の躍進に潜む"危うさ"の正体

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今回の参院選でも、国民民主党と参政党はそれぞれ13人の新人(衆院議員経験者を含む)が当選した。新人議員が一気に増えたことで、ガバナンスを保つことができるのか。

国民民主党は千葉県選挙区での公職選挙法違反疑惑も発生している。これは、昨年の衆院選後の「パワハラ騒動」につながるものだ。国民民主党はこのときの衆院選で、7議席から28議席に議席を激増させた。参政党でもまた、党勢拡大に伴ってさまざまな問題がくすぶっている。

さらにいえば、参院選で噴出した国民の不満がうまく解消されるかどうかが問題だ。かつて熱狂的に歓迎された小泉改革は、その後にさまざまな経済的・社会的ひずみを生み出した。その後に民主党政権が誕生したのも、小泉改革の限界が一因となっている。

政治が動く巳年、2025年はどうなる?

もっとも、政治は定期的に新しい勢力を生み出すものだ。2025年(乙巳)も2001年(辛巳)も巳年だが、巳年は蛇が脱皮するごとく「変化の多い年」と言われる。

ちなみに、豪族中心の政治から天皇中心の政治に変えた「大化の改新」の始まりとされる「乙巳の変」が発生したのは645年の巳年。日本が太平洋戦争に突入した1941年や、昭和が終わり平成が始まった1989年も巳年だ。

時代の変化にあらがうように、石破茂首相は7月21日の会見で続投を表明した。だが、麻生太郎最高顧問がいち早くそれに異議を唱え、山口県連や高知県連、新潟県連などからも退陣論が噴出している。

新しい歴史の始まりか、それとも歴史は繰り返されるのか――。日本は今、その分岐点にあるに違いない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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