Adoはなぜ海外を目指し、海外で聴かれているのか《国内アーティストのグローバル戦略のいま》

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おなじみの「日本レコード大賞」に代表されるように、従来の音楽賞は国内中心のものだった。それは、前述のように日本の流行歌の市場がそういうものだったからである。

一方、MAJは、「世界とつながり、音楽の未来を灯す」がコンセプト。「世界」という目標が明確に掲げられている。日本の音楽主要5団体が結束して主催していることからも、業界の力の入りようが伝わってくる。

XGの新たなグローバル戦略

ただ、変化の兆しはあるものの、日本のアーティストの海外における認知度はまだそこまで高くなっていない、という見方もあるだろう。日本に活動の拠点を置く限り、どうしても難しい面は残る。

ここで注目に値するのは、XGの存在である。

7人組ガールズグループであるXGは2022年にデビュー。全員日本人である。だが当初、日本での知名度はそれほど高くなかった。ずっと韓国に活動の拠点を置いているからである。

プロジェクトを運営するエイベックスは、最初から世界で活躍するグループを目指し、韓国で5年かけて育成、そしてデビューさせた。

XG
“G-SHOCK”のグローバルアンバサダーに起用された「XG」(画像:カシオ計算機)

こうした手法を取った背景には、当然ながらK-POPが世界で成功したグループを複数輩出し、グローバル戦略のノウハウを確立していることがある。BTSやBLACKPINKなどを思い出せば、納得できるだろう。

XGも、音楽性の高さだけでなく「コーチェラ・フェスティバル」など有名な海外音楽フェスに出演して認知度を高め、一昨年全米ビルボードの「Hot Trending Songs Powered by Twitter」で日本人アーティスト初の1位を獲得。

さらに大規模なワールドツアーをおこない、今年5月には初の東京ドーム公演を成功させた。最近は日本の大型音楽番組に出演することも増えた。

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