【25年上期の「Spotifyランキング」トップ10】海外で最も再生された日本アーティストは《Ado》!《YOASOBI》の同部門“5連覇”阻んだ理由は?

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そんななかで、ひとつの成功事例になりつつあるのがAdoだ。

アニメタイアップを途切れさせることなく続けるのと同時に、その積み上げた実績とポテンシャルを最大限に生かし、次なるステップに進むためのさらなる話題性の喚起策として、日本人アーティスト初の規模となる世界ツアーを打ち出した。

同ツアーでAdoは、すでにアジア、オセアニア、ヨーロッパの計15の国と地域をまわり、大盛況のうちに公演を終えている。日本の旬のスターのライブは、各地でチケットが完売となり、その公演の前後で楽曲のストリーミング数が大きく上昇していることが伝えられている。

そんな彼女には、これまでのメジャーな日本アーティストとは異なる、世界で受け入れられる2つのポテンシャルがある。

ひとつはアーティスト性。ビジュアルをイラストなどのアートワークにし、イメージを変幻自在に操ることで、国境を超えて親近感を抱かせやすい。

日本好きのファンにとっても、音楽で惹かれているファンにとっても、彼女のライブにはそれぞれが楽しめるステージ装置や装飾など、さまざまな仕掛けの演出がある。それがボーダーレスな音楽活動につながる。

もうひとつは音楽性。Adoはネットのボカロ文化から生まれた歌い手であり、メジャーシーンでもそれをそのまま背負って活動している。

歌い手である自身を中心にしながら、自らをクリエイティブ要素のひとつとし、ボカロPや作曲家、作詞家、イラストレーター、映像作家などさまざまなクリエイターが集まり、その時々に最高の1曲を制作する。曲ごとに異なるクリエイターたちが手がける総合芸術的な音楽になる。

まさにネットの世界から生まれたスターであり、日本ではネットユーザーがこぞって彼女を後押ししたが、その下地は世界にもある。

ネットで活動するさまざまな分野のクリエイターたちが彼女のクリエイティブや楽曲制作スタイルに共感し、熱狂的に応援していくような動きが世界ベースで起きるかもしれない。

ワールドツアー後のAdoに期待する未来

Adoには、アーティスト性、音楽性としても、世界に受け入れられる下地が十分にある。世界を地続きにして活躍する未来がすぐ近くに来ていることを感じさせる。

彼女の世界ツアーは、この先、北米12公演、南米4公演と続く。それを終えたとき、彼女には新たな景色が見えているのではないだろうか。そして、そこからの次のフェーズでは、活動のベースを世界に移すかもしれない。世界市場がデフォルトになる日本アーティストの誕生への大きな期待がかかる。

Spotifyの「海外で最も再生された国内アーティスト」ランキング1位はしばらく続いていきそうだ。

【もっと読む】【25年上期の「映画興行収入TOP10」】ヒット傾向は前年から一変! 『国宝』の特大ヒットなど邦画実写は大健闘 “洋画が復調”の背景は? では、映画に詳しいライターの武井保之氏が、2025年上半期の映画のトレンドについて詳細に解説している。
武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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