“20世紀最後の大型新人”shela「全盛期は作られた自分にもがいて…」当時の知られざる葛藤や一人息子への想いも明かす

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これらをふまえると、彼女が当時、人気を実感しづらかったのは、大きなプロジェクト続きで多忙だったこともあるが、当時はプロフィールなど情報が一部非公開な部分があり、それらがすべて“作られた”自分に起こったことだったからかもしれない。彼女のなかにはshelaというアーティストと、“ただの女の子”である自分がいて、当時は歌詞を書くことで、等身大の自分を表そうとした。

だが、自分に正直な彼女の想いがあったからこそ、共感される名曲の数々が生まれ、ミステリアスさも増した。その“等身大”を愛する彼女の人格そのものが、長いブランクがあっても、今なお多くのファンに愛されるゆえんではないだろうか。

葛藤の末、地元に戻るも、ある日新たな運命が動き出す

順調にファンを増やしていたshelaだが、2005年、レコード会社との契約が終了。「一時期は音楽を聴くことを避け、歌番組も観られないほど落ち込んでいた」と語り、耐えがたい孤独感に襲われる日々が続いた。

2009年に再びCDリリースを行うが、shelaは悩んだ末、2011年に事務所との契約を終了。その後、地元・北海道へと移住し、1児の母となる。子育てに邁進する日々を過ごしつつも、心の底では「歌を続けたい」という強い気持ちがあったという。

そんななか、2021年のある日、掲示板サイト『5ちゃんねる』にshelaの偽物が本物になりすましてスレッドを立てたことから、彼女の運命がまた動き始めた。そのスレッドには、当時のファンから、どれだけshelaにハマっていたか、どんな曲が好きなのか、CDをウキウキで購入しに行ったときの思い出など、shelaを想う書き込みが相次いだのだ。

「まだ忘れられていなかったことに驚いたし、何より感激してしまって。今でも応援してくれる方々との交流の場を作れたらと、周囲のアドバイスもあって、YouTubeやTwitter(現X)などのSNSを始めてみたんです。先ほどもお伝えしましたが、2011年まではファンと触れ合う機会をほとんど設けられず、そのことに引け目も感じていたので、少しでも恩返しができたら、という思いでした」

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