中国EV小鵬汽車、「AI半導体を独自開発」の胸算用 新型SUVに初搭載、エヌビディア製など置き換え

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半導体メーカーは、チップの研究開発費用を吸収するために複数の自動車メーカーに販売できる。それに対し、小鵬汽車の独自チップは自社以外のクルマに搭載するのは難しく、(スケールメリットを得にくいため)コスト面で不利になる。

小鵬汽車が独自開発した車載AIプロセッサー「図霊」は、エヌビディア製チップを上回る実効演算能力をうたう(写真は小鵬汽車のウェブサイトより)

だが、何董事長はそのデメリットを認めつつ、「わが社が(単なる車両メーカーを超える)ハイテク企業を目指すうえで、半導体の独自開発は避けて通れない」と強調。理由を次のように説明した。

「外部のサプライヤーは汎用的なソリューションを提供しており、わが社が利用する機能は一部にすぎない。自社のAIモデルのニーズに合わせた独自のAI半導体を開発することで、チップの演算能力の利用効率を大幅に高められる」

演算能力の利用効率を最適化

このような利用効率の最適化を通じて、小鵬汽車は図霊チップの1基当たりの実効演算能力を750TOPSに引き上げた。

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それをエヌビディアのチップと比較すると、現行世代の「DRIVE Orin(ドライブ・オーリン)」の254TOPSはもちろん、次世代の「DRIVE Thor(ドライブ・ソー)」の約700TOPSをも実質的に上回る。

小鵬汽車はG7 Ultraに続き、近くマイナーチェンジを実施する主力セダン「P7」にも図霊チップを採用。その後も搭載車種を広げていく計画だ。

(財新記者: 翟少輝)
※原文の配信は7月5日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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