笑うはトヨタばかり!? エコカー補助金の功罪
トヨタと他社で明暗
1月の国内新車販売台数は約41・6万台と前年同月比で36%増、2月も51・9万台で30%増えた。補助金効果は明らかで、日本自動車工業会では、80万台の販売上乗せが期待できると見る。
その恩恵を特に受けるのが、HVが充実しているトヨタ自動車。年明け以降の同社の新車販売台数の中で、補助金対象車は約7割。同じくHVがそろうホンダの約4割に比べても高い。エコカー補助金はお誂え向きの制度だ。
一方、補助金対象車が少ないメーカーからは不満の声が上がる。「補助金の多くはトヨタさんが持っていってしまう。対象車が少ないメーカーは、悔しい思いをしている」(中堅メーカー役員)。
さらに困惑しているのがディーラーだ。「補助金は歓迎する」(神奈川トヨタ・マイクス本社店)との声もある一方、東北地方のトヨタ系販社幹部は「補助金は必要なかった。新車販売に追われて、サービスに手が回らなくなるおそれがある」と懸念を漏らす。
販売店にはマイナスも
現在のディーラーは、車両販売に特化しているわけではない。日本自動車販売協会連合会が発表した10年度自動車ディーラー経営状況調査報告書によると、車両販売は売上高の76%を占める一方、粗利益ベースでは47%にとどまる。粗利の52%を占めるのは、整備点検や部品交換などのアフターサービスだ。