笑うはトヨタばかり!? エコカー補助金の功罪
自動車の買い替えサイクルは平均8年と長い。そのため各社は、車両購入の過程で顧客とパイプを築き、サービスの販売につなげることで、収益安定化を図ってきた。
だが、「年明け以降は補助金申請を前提に、1~2回来店しただけで購入する客が多い。これではアフターサービスを説明する時間もない」(東京カローラ販売店店長)。ディーラーにとって、補助金は単年度ではプラスでも、「サービス営業を十分できていない客の割合が増えると、将来、収益力が低下する可能性もある」(インタープライズ・コンサルティングの田下親男・自動車事業部長)。
「ただでさえ、新車種効果で売れる時期に、なぜ補助金を復活したのか」(前出店長)。業界を潤すはずの補助金に、販売現場からはこうした疑念も上がり始めている。
新車販売は1990年をピークに右肩下がりが続く。カンフル剤にすぎない補助金が、販売店による安定収益源の育成を阻めば、弊害とのそしりを免れない。
[+画面クリックで詳細チャートを表示]
(又吉龍吾 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済2012年3月31日号)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら