中国シャオミ、EV「第2弾」のSUVの販売予約開始、テスラの「モデルY」に対抗、価格は513万円から

✎ 1〜 ✎ 341 ✎ 342 ✎ 343 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

シャオミにとって、EV事業の急成長がもたらす増収効果は大きい。2025年1~3月期の決算報告書によれば、同四半期のEV事業の売上高は181億元(約3666億円)に上った。

シャオミのEV販売は好調が続くが、ADASの安全性をめぐっては批判の声もある。写真は6月26日のイベントに登壇した創業者の雷軍CEO(同社のイベント動画より)

販売好調に伴う量産効果で利益率も改善している。決算報告書によれば、EV事業を含む「イノベーション事業」セグメントの1~3月期の営業損益は5億元(約101億円)の赤字だったが、損失額は2024年10~12月期の7億元(約142億円)から3割近く縮小。また、同セグメントの1~3月期の粗利益率は23.2%と、10~12月期の20.4%から2.8ポイント改善した。

ちなみに、代表的な新興EVメーカーの1~3月期の粗利益率は理想汽車が19.8%、小鵬汽車(シャオペン)が15.6%、蔚来汽車(NIO)が10.2%と、いずれもシャオミを下回っている。

ADASの安全性めぐり議論も

注目すべきなのは、YU7は「NOA(ナビゲート・オン・オートパイロット)」と呼ばれる高性能の先進運転支援システム(ADAS)を標準装備するにもかかわらず、雷CEOがイベントで派手な宣伝をしなかったことだ。その代わりに雷CEOは、シャオミがEVの安全性をいかに重視しているかを強調し、電池や車体構造の安全技術について説明した。

その裏には、2025年3月末に起きた痛ましい事故の影響がある。NOAを作動させて安徽省の高速道路を走行していたSU7が中央分離帯に激突して炎上し、乗っていた3人が死亡したのだ。

(訳注:事故車のADASは前方の障害物を検知してドライバーに警告を発し、手動運転モードに切り替えたが、回避が間に合わなかったとされる)

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

この事故をきっかけに、中国ではADASの安全性をめぐる激しい議論がネット上などで交わされた。その焦点の1つは、自動車メーカーがADASの性能や安全性を誇張し、消費者を誤認させた疑いについてだった。

しかし雷CEOは、この事故について公の場で触れるのを避けている。また、シャオミは事故の直後に開示した(ADASの動作記録などの)データを除き、より詳しい情報を明らかにしていない。

(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は6月26日

財新編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事