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中国発ラブブ「2027年にハローキティ超え」がおこがましすぎる理由。《狂乱相場崩壊?》“転売ヤー”の阿鼻叫喚

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  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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(写真:ロイター/アフロ)

ラブブの市場価値がつり上がるにつれ、中古マーケットでは「利回り」が提示されるようになった。「Z世代のマオタイ(高級白酒)」「金より利回りがいい投資商品」ともてはやされ、その結果、転売ヤーがうごめき、偽物も多数出回るなど、マーケットの健全性が損なわれていった。

狂乱相場、突如終焉

6月中旬に入ると、各地の消費者協会や政府系メディアが、ラブブの狂乱相場を批判し始めた。政府系メディアの批判は、規制が導入されたり、当局に指導を受けたりと、企業に取って良くないことが起きる前触れでもある。

6月18日、POP MARTは突然ラブブの商品を大量に市場に投入した。購入制限は設けたものの、「1人12個まで」という大盤振る舞いだった。

需給は一瞬で緩み、中古マーケットは雪崩のように値崩れが起きた。現地メディアによると通常版のラブブのアクセサリーはピーク時の1580元から一瞬で約300元に急落した。

SNSでは「#LABUBU価格暴落」のハッシュタグが2億回以上閲覧され、大量の在庫を抱える転売ヤーが山積みの在庫の写真を投稿して撤退を宣言するなど、「投資商品」として見ていた人々にとっては阿鼻叫喚の地獄絵図となった。

POP MARTが自らバブル潰しに動いたのは、そうしなくてもいずれバブルがはじけるとの危機感を持っていたからだろう。

中国では何かがブームになると一気に過熱し、何かの拍子でぺしゃんと潰れる。だから常に短命に終わってきた。

JPモルガンは現在の瞬間風速をもって「次のハローキティ」「キティより初速がよい」ともてはやしたが、キティがすごいのは誕生して50年経っても陳腐化することなく身近で普遍性を持つキャラクターとしての価値を維持し、世界中の人に愛されている点だ。それこそがコンテンツ力と言えよう。

メキシコシティの雑貨チェーンMINISOに陳列されていたハローキティグッズ(写真:筆者撮影)

利回りなどで価値が算出されるようになれば、ラブブも、POP MARTがこれから生み出すIPも、永遠にキティには追いつけない。

ラブブは日本では品薄が続いているが、中国ではすでに中古価格は中古なりの「適正価格」に落ち着きつつある。そしてラブブに見切りをつけた人たちは「次のラブブ探し」を始めている。

BLACKPINKのLISAは4月、ブランドバッグに「CRYBABY」のぬいぐるみを付けている様子を投稿。「CRYBABY」が“次のラブブ”になっていくのだろうか(画像:LISA Instagram @lalalalisa_m)
(画像)筆者が撮影した写真やBLACKPINKのLISAによるSNS投稿など(10枚)

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