政界再編必至で頼れるのは"鉄ちゃん仲間"か"推し活同志"か、参院選後を見据えて混迷極まる永田町版「人狼ゲーム」の行方

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こうした中で、石破首相はどのように判断するのか。自民党の党内事情も考慮しなければならない。そのカギとなるのが、このところ動きを活発化させている、“アンチ石破”の急先鋒である麻生太郎最高顧問だ。

麻生最高顧問は6月18日に岸田前首相と会食して意見交換を行い、26日には世耕弘成元参議院幹事長らと懇談した。世耕氏は昨年10月の衆院選に鞍替え出馬して初当選したが、依然として参院旧安倍派の議員たちに影響力を持っており、総裁候補の1人と目される。

石破首相が29日に岸田前首相に会食を呼びかけたのも、こうした動きを牽制する意図があったのかもしれない。なお、麻生最高顧問は国民民主党の榛葉賀津也幹事長と近く、かつて自民党の一部でささかれた「玉木首班説」の出どころともいわれた。

これは「石破降ろし」にほかならない。そのような動きを石破首相が嫌ったのなら、昨年12月の自公国3党幹事長合意が実現されないままであることの説明はつく。そして、自公と立憲民主党が共同提出した年金改革関連法が6月13日に成立したことも、3党の近接性を示している。

参院選後に待つのは「政界の整理」?

連立を組むにはまず、トップ同士のケミストリー(相性)が合うことが必要だ。石破首相と日本維新の会の前原誠司共同代表は、ともに鉄道オタクで親しい関係。石破首相と野田代表には「キャンディーズのミキちゃん(藤村美樹さん)のファン」という共通点がある。

さらに政策面においても、石破首相は立憲民主党と折り合えるところは少なくない。例えば立憲民主党が主張する選択的夫婦別姓について、石破首相は就任前の2024年7月下旬の報道番組で「やらない理由がよくわからない」と述べていた。

もっとも、特定の政党との恒久的な連立ではなく、政策ごとに「パーシャル連合」を組む可能性もある。後者は石破首相にとって政権運営はより大変になるが、うまくいけば長期政権につながるものだ。

まずは7月3日に始まる参院選で、自公が過半数を制することができるかどうか。その後に待っているのは、政界再編ならぬ「政界の整理」かもしれない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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