政界再編必至で頼れるのは"鉄ちゃん仲間"か"推し活同志"か、参院選後を見据えて混迷極まる永田町版「人狼ゲーム」の行方

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石破首相は6月29日夜、岸田文雄前首相と都内のホテルで会食し、参院選での「改選議席を含めて自公で過半数維持」を確認したとされる。岸田前首相は昨年9月の総裁選で石破首相を支持し、石破政権を支えるキーパーソンだ。

ただ、今年5月にはBSのニュース番組で「(参院選後は)連立のありようをはじめ、いろいろな知恵を出していくことが求められる」と連立の組み直しの可能性について発言。6月25日にさいたま市で講演した際には、政権交代の可能性について危惧を示したうえで、野党との連携についても言及した。よって同日夜の石破・岸田会談では、参院選について“それ以上”のことが話されたと推測できる。

自公はどの第3政党と組むのか

そもそも衆議院で自公が過半数を割っている以上、参院選の目標が「非改選議席を含めて自公で過半数」などという控え目な数字でよいはずがない。

定数248議席の参議院では、過半数は125議席だが、常任委員会で委員長を含めて過半数を制する「安定多数」は131議席以上、委員だけで多数を制する「絶対安定多数」は140議席以上となる。また、166議席以上の「圧倒的多数」になると、秘密会の開催や、国会議員の除名、憲法改正の発議が可能だ。

したがって、与党で安定多数を得るためには参院選で56議席以上、絶対安定多数には65議席、そして圧倒的多数となるためには91議席を確保しなくてはならない。6月22日に閉会した通常国会の最終盤に、野党によるガソリンの暫定税率廃止法案の強行成立を参議院で阻止できたのは、自公が絶対安定多数を維持していたからにほかならない。

そのためには、自公以外の第3政党と組む必要がある。候補として考えられるのは、立憲民主党(非改選18議席)と日本維新の会(同12議席)、そして国民民主党(同7議席)だ。

もっとも、6月29日に行われた令和国民会議(令和臨調)の対話集会で、公明党の斉藤鉄夫代表は第3政党の与党入りに否定的な姿勢を見せ、日本維新の会の吉村洋文代表も連立入りを明確に否定した。

立憲民主党の野田佳彦代表は「基本は単独政権を目指す。そして自分たちの考えに近い政党とよく協議して、連立できるかということを考えていく」と述べ、「自民党とはそう簡単ではない」とハードルを上げた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は「誰と組むかより、何を成し遂げるかを判断の基準において政治判断をしていきたい」と、連立入りについて“言い訳”の余地を残している。

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