もちろん、ぶっつけ本番で選手と同じスピードで走ることはできません。夏合宿から選手に伴走して応援する(給水含む)覚悟で走る練習をしてきたのです。その努力が実を結んで、優勝することができたのです。やはり、選手のそばで応援するスタンスが、苦しいレースを支えたのではないでしょうか?
さて、職場における後輩の指導法も駅伝と同じように変わってきました。昔なら「言われたようにやればいい」と命令口調で仕事を教えたもの。さらに「面倒だから、先輩の仕事ぶりを勝手に盗みなさい」と教えてくれない先輩もいました。いまだに、そんな古典的な指導法が残っている職場もあります。
中堅証券会社に勤務するDさん(24)は、「俺は1回しか言わないぞ。よく、聞いておけよ」と、厳しい口調で先輩から指導を受けるのが当たり前。もしも、2回同じことを聞いたりしたら大変。「いい加減な気持ちで仕事する奴はいらない」と恐怖の叱咤激励が待っています。最悪の場合は1時間近い、教育的指導を受けることになる場合もあり(これは先輩の気分で変わる)。
よって、わからないことを聞く相手をつねに慎重に考える癖が後輩にはついてしまいます。
「何か上から目線で言われている気がして、気分はよくないですね」
と悩みを抱えて、転職も考えている様子。そんな、頭ごなしの指導は若手社員には受け入れがたいのではないでしょうか? ただ、以前に比べれば天国のように先輩が優しくなった……と周囲は言いますが。
もともと、営業成績で立場が大きく変わる社風なので、後輩だってライバル。そんなライバルを教えるなんて考えられないと先輩社員は考えてしまうのです。
最近は若手社員が辞めない時代になったと言われていますが、それでも退職者が減らない職場の典型ではないでしょうか? 時代に合わせて、後輩の指導法を改めるべきでしょう。
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