次に、②の人に体をしっかりと向けます。体をターンするときは、「えー」という間投詞を言わずに黙ります。これが適度な間(ま)になります。そして、②の人に正対できたら、先ほどと同様に「これからあなたに話します」と目でサインを送り、アイコンタクトが成立してから話し出します。
その後も同様に続けるだけ。③の人に話した後は、右奥から同様に、ジグザグに視線を振ります。
1人に話す長さは、サンプルのひとことぐらいが適切で、時間にして3秒から5秒。通常の会話よりも短く切っていくイメージです。これが長くなるとにらめっこになり、話しにくくなりますので短めに切るのがコツです。この間は、1人にだけ話します。
この方法はアガリ防止にも役立ちます。
いつも1人にだけ話しますので、続けていると「大勢に向けて話している」という意識が薄れ「1対1」で話している感じに近づいていけます。「1対1なら自然に話せる」という人は多く、それがアガリ防止につながります。
なお、スピーチのコツとして「うなずいてくれる聴衆を見つけ、その人に向けて話す」というものがありますが、これはお勧めできません。特定の人だけ見続けることになり、視線が来ない聴衆は「無視されている」と感じ、ラポール(心の架け橋)が形成できないからです。
聴衆が20人いるなら、必ず全員とアイコンタクトを成立させる。その上で、キーパーソンがわかっているなら、その人には回数多めにアイコンタクトする、というつもりでやりましょう。
適切な速度設定のためのテスト
自身の話し方の弱点として「早口」を挙げる方は多く、早口は話すうえで代表的な課題になっています。
早口の弊害は、聞き手が内容を理解し、腹に落とす時間がとれなくなること。1つひとつのワードが聞き取りにくくなるというデメリットもあります。
また、話す側にも言い間違い、詰まりが増える、次に話すことが出てこなくなる「頭が真っ白」状態になりやすくなる、結果的に間投詞が増えるという弊害が生まれ、よくないことだらけです。
解決策は2つあります。1つは「適度なスピードを自分の体に覚えさせる」こと、もう1つは「スピードコントロールの方法を身につける」ことです。
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