「大企業さえ新卒採用偏重からシフト」 日本を襲う《採用氷河期》のシビアな現実
日本の生産年齢人口は1995年から減少していましたが、これまで総務省統計局の労働力調査によると労働力人口(働く意欲と能力のある15歳以上の人の数)は大きく減少していませんでした。その理由は「女性や高齢者の就業率の上昇」「外国人労働者の増加」などにより、労働力の供給が補われていたためです。
しかし、コロナ禍の終息後「女性の労働力率が過去最高水準に達した」「外国人労働者数が過去最多を記録した」といった状況になり、労働力供給の限界が見えてきました。
「それはデータ上の話では?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、近年の経済ショック時の求人倍率の変化を見れば、現状がより明確になります。
「人手不足倒産」が過去最高ペースで増加
厚生労働省が公表する「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の有効求人倍率は、リーマンショックが起こった翌年は0.5倍を下回るほど低下しました。
一方、コロナショックが起こった翌年の有効求人倍率は1.1倍程度で、1倍(求職者=求人数)を下回ることはありませんでした。つまり、コロナ禍であっても、求職者の数より求人数のほうが多かったのです。
こうした人手不足が深刻化する中、帝国データバンクの調査によると「人手不足倒産」が過去最高ペースで増加していると言われています。相談のある企業の状況を見渡しても、既存社員の高齢化や新規採用の難航など、人手不足の影響を感じずにはいられません。
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