「大企業さえ新卒採用偏重からシフト」 日本を襲う《採用氷河期》のシビアな現実

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これからの採用戦略は、単なる自社アピールではなく、より根本的な視点からの見直しが求められる時代に突入しています。

日本経済新聞社の採用計画調査によると、2025年度の主要企業の採用計画では、中途採用の比率が過去最高の46.8%に達し、5割に迫る水準まで高まりました。

2017年度までは20%を下回っていたことを考えると、8年間で中途採用比率が2倍超になっています。これは、新卒採用偏重だった大企業が、中途採用の強化に乗り出したことを意味します。

企業規模によって採用難度に違い

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従来、大企業は新卒採用中心、中小企業は中途採用中心という住み分けがありましたが、現在では人材獲得競争が激化し、その境界線がなくなりつつあります。

また、新卒採用が手薄になったわけではなく、みらい研究所『就職白書2025』によると1000人以上の企業の約6割、5000人以上の企業の約5割が採用計画に対して未充足と回答しています。

一方、300人未満の企業では6割以上が未充足であり、リクルートワークス研究所の大卒求人倍率も1000人以上の企業で1.05倍、5000人以上の企業で0.34倍、300人未満の企業では8.98倍と、企業規模による採用難易度の違いが顕著です。

窪田 司 コォ・マネジメント代表取締役、中小企業診断士

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くぼた つかさ / Tsukasa Kubota

コォ・マネジメント代表取締役。中小企業診断士。1983年、岡山県出身、岡山県在住。香川大学経済学部卒業。地方の信用金庫に就職。経営企画部門・人事部門を経験。人事担当者時代に大企業の人事ノウハウを過信し、採用コスト2倍、内定辞退続出による採用失敗を経験。その経験をきっかけに100種類以上の研修や100冊以上の読書など採用の違いを研究し、応募者400人増、地元就活人気ランキングTop10、離職率半減などに成功。しかし、中小企業の経営の現場で目の当たりにしたものは組織の高齢化による生産性の低下、人件費率の上昇、若手社員の離職率の上昇、採用応募ゼロなどの人材不足による経営リスク。このままでは企業は将来にわたって継続しないと危機感を覚え独立。経営のための人事を専門分野にし、採用・育成・評価など500社以上にアドバイスを実施。著書に『「化ける人材」採用の成功戦略』(2022年、スタンダーズ)がある。

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