巨額赤字・シャープをどう再建するのか 奥田隆司・新社長に聞く
最近、私はインド人と付き合う機会が多いが、彼らに「日本人は仕事をしなくなった」と言われた。メールを送れば仕事が終わったと勘違いする人が多い、と。日本人の良さは、非常にきめ細かく、Face to Faceのミーティングですりあわせながら磨き上げるDNAを持っていることで、日本人は昔の日本人のDNAの魂を思い出してがんばってほしいと言われてしまった。優秀な人材はたくさん海外にいる。ぜひ日本の若い人たちも経験を積んでほしいと思う。
--シャープは過去10年の戦略で液晶を打ち出してきた。次の10年は、どうやって世界と戦っていくのか。
シャープの技術は液晶、太陽光発電、プラズマクラスター、健康関連家電など応用範囲が限りなく広い。たとえばソーラーも今は屋根の上ばかりだが、これを壁にすれば違う商品になる。液晶でもモバイルの世界ではスマホやタブレットで高解像度のものが要求されて、どんどん進化する。しかも、まだ車載分野では大きな提案ができておらず、医療、教育、さらにエネルギー分野など踏み込めていない分野がたくさんある。
既存のアプリケーションだけではエレクトロニクス事業の先が見えないといわれても、それこそおかしな話だ。もっと範囲を広げて多くの商品を持つことが必要で、それが私の役割だと思う。並行して選択と集中で商品を絞り込み、自分たちでできない分野では協業をしながらグローバルで戦える仕組みづくりを考えていきたい。
(前田佳子 =東洋経済オンライン)
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