新鋭の動画配信サービス“Kick”で「迷惑系配信者」が目立つ理由 5時間配信で《収益250万円》も?「迷惑かけても目立てばいい」の弊害とは

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新進気鋭の「Kick」
新進気鋭のライブ配信プラットフォーム「Kick」。既存サービスより収益性に優れるなどの利点を持つが、一部では「迷惑系配信者」も目立っている(写真:App Storeよりキャプチャ)

このところネット界隈で騒がしいのが、ライブ配信プラットフォーム「Kick」だ。新鋭の配信サービスだが、リリースから69日間でユーザー数が100万人を突破するほどの勢いを持つ。

ただ、ここ数年、迷惑系配信者が逮捕される事態が続いている。Kickの特徴と迷惑系配信者が目立つ理由について解説したい。

エアガンで職質も「22万円得られた」

大阪市内で4月、男がマシンガンの形をしたエアガンを両手で構えながら生配信を行い、通報を受けた府警から事情聴取される騒ぎが起きた。

動画は、戦闘ゲームの主人公視点画面とそっくりとなっていた。繁華街で人通りが多く、動画内にはエアガンを見た周囲の人の驚きの声や警戒する声も入っている。

男は銃を構えて人混みの中を歩きながらも、近くにいた外国人観光客に「This is toy gun(これはおもちゃの銃だ)」と主張。視聴者に対しても、「大丈夫、人には構えてないから」と答えていた。

ところが、現場は開催中の大阪・関西万博の会場にも近く、テロへの厳重な警戒態勢が敷かれていたことから、事情聴取される羽目になってしまった。

配信は2500人以上が視聴し、炎上してニュースなどで報道される事態となった。男は後日の配信で、自身の親にLINEをブロックされたことと、1日の配信で22万円の収益を得たことを明かしている。そして、「俺が失ったものは22万円と釣り合うか。22万円のほうが上なんじゃないか」とさえうそぶいた。

男が所属するのは、一部のKick配信者が構成する「キッカーズ」という団体だ。

キッカーズは視聴者数を重視しており、内部にはさまざまなルールがある。例えば、グループ内で視聴者ランキング1位になるとキャプテンという上位職に任命され、次点は副キャプテンとなる。視聴者の多い配信者は1軍に振り分けられ、視聴者数が100人を下回る状況が5分以上続くと2軍に降格となる。

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