「ポケモンとドラゴンクエストがバチバチ」「でも他のタイトルも侮れない」 人気コンテンツが続々参入の位置ゲー、大混戦の”本質的な理由”

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位置情報ゲームに限らず、過去のヒット作をベースにしたスマホゲームは、こういった背景で多数リリースされる。ポケモンなら「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」「ポケモンユナイト」、ドラゴンクエストが「星のドラゴンクエスト」「ドラゴンクエストタクト」などで、スマホ世代が作品に触れる入り口となるアプリを、リリースし続けているのだ。

今後の位置ゲー業界、2強に対抗するアプリは現れるのか?

妖怪ウォッチワールド プレイ画面
妖怪ウォッチワールド プレイ画面(当時のリリース資料より)

さて、「ポケモンGO」「ドラゴンクエストウォーク」に続く、位置情報ゲームのヒット作品は現れるのか……その前に、先に述べたゲームのうち「ハリー・ポッター:魔法同盟」「妖怪ウォッチワールド」「どうぶつの森 ポケットキャンプ」などは、すでにサービスを終了(サ終)している。

たった4年で“サ終”となった「妖怪ウォッチワールド」は、マーケティングを読み誤った感がある。他プレイヤーに「ヒョーイ(憑依)」できるアイデアは斬新だったものの、母体となる作品「妖怪ウォッチ」が知られるようになった2013年ごろから作品の歴史が浅すぎて、幼児・小学生メインであったファン層が大人になっていなかったのだ。

また、ナイアンテックの「MARVEL World of Heroes」、スクウェア・エニックスの「キングダム ハーツ」をベースにした位置情報ゲームのように、開発中止となったケースもある。ナイアンテックは2023年1月のリリースの「NBA All-World」(歩いてNBA選手をスカウトするゲーム)が年を越せずにサービス終了に追い込まれるなど、ポケモンGOに次ぐゲームを育てられなかったことが、事業部ごとの売却・撤退に繋がった感がある。

今のスマホゲーム開発費用は「1作数十億円、画像が美麗なハイエンドゲームは数百億円」と高騰、一方で販売面ではスマホゲーム自体が業態として頭打ちで、中国発のアプリとの過当競争で売り上げを獲れない。

「投資は高額、競争は過当、リリースできなければ1円も入らない」というリスキーなゲーム業界で、2強がほとんどのシェアを占めてしまった位置情報ゲームを新たに制作するというリスクを負う企業は、そう現れないのではないか。

サイバーエージェント、衝撃の「うまぴょい決算」スマホゲーム業界、夢は終わらない

決算資料
「ウマ娘」リリース後のサイバーエージェント社決算資料 当時は「ウマ娘決算」と呼ばれた(2021年9月期決算資料より)

世界のスマホゲーム市場は10兆円規模と言われており、2021年にCygames(サイゲームス)からリリースされた「ウマ娘 プリティーダービー」が40%以上の営業利益率を記録、親会社であるサイバーエージェントの決算を押し上げるような成功例も。スマホゲーム業界じたいの“一攫千金ドリーム“は、まだ終わっていない。

その中で、位置情報ゲームの次なるヒット作は現れるのか? 「ポケモンGO」「ドラゴンクエストウォーク」よりもワクワクできるのか? プレイしながら、業界の推移を見守りたい。

【もっと読む】「採算取れるの?」→まさかの回答が…ゲーム世界をリアルに再現!「ドラゴンクエストウォーク」イベントで見えた”凄まじいこだわり” では、北海道で初開催された「ドラクエウォーク」イベントに密着。ライターの宮武和多哉さんが豊富な写真とともに、その楽しさを詳細に解説している。
宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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