「ポケモンとドラゴンクエストがバチバチ」「でも他のタイトルも侮れない」 人気コンテンツが続々参入の位置ゲー、大混戦の”本質的な理由”

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに、日本にはなじみ深い「ポケモン」「ドラゴンクエスト」といったコンテンツを題材にしたことも、爆発的な普及を呼び込んだ。ここの2作はアニメ・漫画などの垣根を越えて展開されており、ゲームとしても世代間の共通言語と言えるほどに浸透している。だからこそ、位置情報ゲームの2強はリリース当初から一斉にインストールされたのだ。

位置情報ゲームの各国の収益
位置情報ゲームの各国の収益。1位の日本、2位のアメリカ以外では伸び悩んでいる(Sensor Tower資料より)

そして、位置情報ゲームのプレイスタイルが「他のゲームと掛け持ちできる」プレイスタイルであったことも、普及を後押しした。一般的なスマホゲームのプレイは一般的に21時台以降にゲームのプレイ時間が長くなるが、位置情報ゲームの場合は午前8時台・12時台にプレイ時間が増加、夜には減る傾向にある。「日中の歩く時間には位置ゲーで距離稼ぎ、夜は帰宅後に他のゲーム」といった具合で、すみ分けができているのだ。

スマホゲームのヒットの要因は「スキマ時間をいただくこと」、位置情報ゲームのヒットの要因は「移動時間をいただくこと」とも言われる。こうして、一般的なスマホゲームのヒット作(近年だと「モンスターストライク」「崩壊:スターレイル」「ウマ娘 プリティーダービー」など)と共存共栄できているからこそ、位置情報ゲームはユーザーを獲得できているのだ。

「ポケモンvsドラゴンクエスト」位置ゲー界で差がついた要因は?

画面比較
ポケモンGO、ドラゴンクエストウォークの画面比較(筆者撮影)

さて、位置ゲー業界の大混戦、「ポケモンGO」「ドラゴンクエストウォーク」は、どちらが勝者なのか?

実のところ、「混戦模様ではっきりしない」としか言いようがない。ダウンロード数では「ポケモンGO」がトップと報じられているものの、先に述べたSensor Towerの資料では「ドラゴンクエストウォーク」が3億ドルを売り上げており、2位の「ポケモンGO」を引き離し、位置情報ゲーム界隈ではトップに立つ。

ドラゴンクエストウォークは「月間滞在時間10時間以上が3割以上」とヘビーユーザーが多く、しっかり収益に繋げている印象がある、その要因は、「手放し・放置で安全にプレイできる環境を作れた」こと、「日本向けの運営ができた」ことにありそうだ。

ポケモンGO プレイ画面
ポケモンGO プレイ画面。「モンスターボールを投げる」という基本動作は外せない(筆者ゲーム画面からスクリーンショット)

ポケモンGOはプレイの基本動作は「歩く→ポケモンにボールを投げて捕獲→ゲットで経験値アップ」であるために、スマホに目線を落とす時間がどうしても長くなる。かつ、レアポケモンを探す作業が出現場所に急ぐプレイスタイルを生み、”ながら運転”でポケモンを獲りに行ったプレイヤーの人身事故で、世間の風あたりは強くなった。ゲームを運営するナイアンテックは画面上で警告を出したくらいで、有効な対策をとれていたとは言い難い。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事