ギリシャのユーロ圏離脱がなければ、欧州の債務問題は長期化する

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--ギリシャのユーロ離脱によるコンテージョンのリスクをどう考えるか。

たしかにリスクではある。ポルトガルやイタリアなどに伝染して危機に陥る可能性がないわけではない。むしろ、危機の波及を防ぐファイアウォール(防火壁)の効果をテストするよい機会となるだろう。各国、EUの危機対策の真価が問われることになる。

--ギリシャでは4月にも総選挙が予想されているが、新たなリスク要因となるか。

リスクになりうる。今回の債務削減で3月20日に予定される国債の大量償還には対応できるメドは立った。当面の資金手当てに安心したギリシャ国民が、総選挙で極端な解決策に賛同する可能性はある。ギリシャ保守系政党で連立与党に入っている新民主主義党のサマラス党首は常に「現在の緊縮財政はまったく効果がない」と述べており、事は簡単ではない。彼らが選挙に勝ってユーロ離脱に向かうことは当面ないだろうが、総選挙の結果、サマラス新政権の下で債務者と債権者の間の対立が助長される可能性はある。

--フランスの大統領選(1回目の投票は4月22日、もし過半数に到達しない場合は5月6日に決選投票)が注目されるが、ユーロ問題にどう影響を与えると見るか。

フランス国民はユーロ圏で今起こっていることをかなり心配している。彼らは、ドイツが主張する解決策は厳格すぎるのではと考えている。ドイツ的なやり方はインフレ抑制や財政緊縮に重点を置きすぎており、経済成長を犠牲にしていると見ている。逆にドイツはフランスに対し、国際競争力の維持や財政規律に対する考え方が甘すぎると常に考えてきた。
 
 そのため、もし最大野党・社会党のオランド候補が大統領選に勝利すれば、独仏間の基本的な意見の相違が噴出し、ユーロ問題を巡る全体の構図が変わる可能性を秘めている。当然、ユーロ圏の金融業界にとってはリスクとなる。

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