伊藤忠、暗礁に乗り上げた「セブン銀行」への出資・・・難色を示したとされるセブン&アイの思惑は? 新経営陣は早くも難しい局面を迎えている
セブン銀もセブン&アイが46%を出資する上場子会社であり、ヨーカ堂同様、持ち分を引き下げて連結対象から分離する方針が明らかになっている。今回報じられた伊藤忠による出資も、こうしたグループ構造改革の一環とみられた。
セブン銀の事業の柱はATM事業だ。セブン-イレブンの店舗内を中心に2万8000台以上を有し、ATMの利用者や提携する金融機関から手数料収入を受け取っている。
先行き不透明なATM事業
反面、伊藤忠の子会社であるファミリーマートは傘下に銀行事業を持たない。
多くのファミマ店舗内には、同社や各地の金融機関など計63社が出資するイーネットがATMを設置しているが、「セブンやローソンでできるようなQRコード決済へのチャージなどができず、利便性が悪い」(コンビニ関係者)といわれる。

セブン銀としてもグループ内だけでのATMの設置余地は限界を迎えつつある。折しもキャッシュレス決済が急速に浸透しており、現金の入出金が主な用途であるATM事業の先行きは不透明だ。
セブン&アイ前社長の井阪隆一氏ら経営陣は、非注力事業となるセブン銀が連結子会社から外れ、「それぞれが財務的および戦略的に自立性を有する」(井阪氏)ことが、ホールディングスとセブン銀のどちらにも最適だと主張していた。
仮に破談とするなら、それなりの理屈を示す必要がある。
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