日本の「財政破綻」はすでに始まっているが、それが誰の目にも明らかになる「きっかけ」は何か? 考えられる「4つのシナリオ」

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そして、何といっても、金利が今後下がるという見通しがゼロであることだ。つまり、債券は絶対に値上がりしない。そして、逆張りも債券市場では極めて少数派だ。この状況で暴落が始まったら歯止めの役割を果たすものはゼロだろう。

私が「財政破綻が始まっている」という見方に、まだ賛成していない人が多いと思うが、財政破綻が始まったということが誰の目にも(少なくとも債券投資家という買い手の間に)明らかになるには、最後のきっかけが必要だ。

債券暴落のきっかけは何になるのか

そのきっかけはなんでもありうる。シナリオをいくつか挙げてみよう。

1 トランプ大統領の暴挙により、アメリカ国債が暴落すること。これで、世界的に債券が暴落すること
2 日本株が暴落し、それが反転も起きないとき、年金運用などの機関投資家の財務が痛み、債券市場でもリスクがまったく取れなくなったとき。新発債の引き受け手はいなくなるだろう
3 日銀が国債の買い入れ減額を発表したとき、それを勝手にメディアか投機家が、予想以上の減少とハヤしたとき。世界中の投機家が仕掛けてくる。
4 消費税減税など、日本の財政のニュースが世界に広がったとき。日本社会にいると、もはや放漫財政には慣れているから、ニュースを聞き流してしまうが、世界的に、これが「日本売りのチャンスがついに来た」と受け止められると、円売り、株売りで日本売りを仕掛けて、債券もそれに巻き込まれてトリプル安になった場合。これは世界的な投機家の受け止め方、見方、戦略の問題なので、いつでも、それが誤解であったとしても起こりうる。

まだまだシナリオは無限にありうるが、このくらいにしておこう。そして、暴落が始まったとき、実際に市場はどうなるか。そのときどうするべきか。その前にどう備えておくべきか。それについては次回にしよう。
 それまでに、1から4のシナリオが起きていないことを願う(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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