「東大は中国の受験敗者の逃げ込み先?」≪中国受験戦争≫塾代200万円超、合格率は約3割の苛烈
「985工程」は中国教育部が1998年5月に定めたもので、「世界一流大学」を目指して発足した国家重点支援プロジェクトだ。
「211工程」は「21世紀に向けて、100校以上の大学を支援する」目的で1995年に開始されたプロジェクトだ。2024年現在の「211工程」大学の数は112校。「985工程」の39校は「211工程」に含まれる。
2019年から、中国政府は「双一流(世界一流大学・一流学科建設計画)」(Double First-Class Initiative)という新しい枠組みで大学の評価・支援を行っている。現在、「一流大学」は39校、「一流学科」を有する大学は95校だ。「受験戦争」は主にそれらの百数カ所の大学の入試を指す。

政府から支援されて大学進学率が高い高校も
2024年6月現在、中国の高等教育機関(大学、短期大学)は合計3117校あり、その内訳は本科大学が1308校、専科大学・高等職業学校が1560校、成人高等教育機関は249校となっている。
近年では、企業や財団が設立する「民間大学」の芽が出はじめた。日本でいう私立大学のようなもので、大学の運営は基本的に学生の学費に依存している。学費は国立大学よりはるかに高いため、裕福な家庭の子どもしか入れないと言える。
ちなみに、高校は普通高校、国際高校(海外留学のためにある高校)、職業高校の3種類に分けられている。普通高校には、1980年代〜1990年代に国が指定した「全国重点中学」があったが、その後、制度としては廃止された。
地方レベルでは「省級重点高校」が依然として存在する。進学率や教育実績によって「名牌高中」(ブランド高校)、「示範高中」として選抜される高校もある。こうした学校は教育資源が充実し、大学進学率が高く、政府から重点的に支援されている。
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