“ウォークマンを知らない”世代にソニーのXperiaはどう響くのか。海外スマホ市場で苦戦する日本メーカーの戦略
音楽機能は音楽プレイヤーのウォークマンが採用している部品を一部採用したことにより、伝送ロスなどの低減化が可能になった。またここでもAIを使い高音質化する技術を搭載、Xperiaシリーズで最高の音質で音楽再生ができるという。またBluetoothの送信電力も2倍に強化し、ワイヤレスヘッドフォンでより安定した音楽再生が可能になった。
そしてBRAVIAシリーズのTV譲りのAI画質自動調整や、新たに搭載した背面の照度センサーがどんな時でも快適な画面表示を可能にする。周囲環境の明るさなどに応じ、画面の輝度や色味を自動調節するのだ。スマートフォンとして最高の視聴体験も提供できるのである。
このようにスマートフォンとして隙のないモデルに見えるXperia 1 VIIだが、並みいる強敵の多い海外市場で目立つことはできるのだろうか?
カメラの表現力で勝負する海外スマホメーカー
日本ではiPhoneを中心にスマートフォン市場が動いているが、海外市場ではサムスン電子の力も強い。またシャオミなど中国勢も国によっては高いシェアを有している。特にカメラを強化した最上位モデルのスマートフォンでは、中国メーカーの製品の性能がアップルやサムスンを大きく上回っている。
グローバル市場でのスマートフォンカメラのトレンドはカメラメーカーとの協業だ。シャオミはライカと、OPPOはハッセルブラッドと提携し、フィルムカメラ時代の絵作りをスマートフォンのデジタルイメージングに反映させている。他にはファーウェイから分離したオナー(HONOR)がフランス・パリの伝説的なポートレート写真スタジオ「Studio Harcourt Paris(スタジオ・アルクール・パリ)」と提携。スマートフォンのカメラは高画質化の次のステップとして、表現力の追求を進めている。
ドイツのレンズメーカー、ツァイスと提携しているvivoは、同社の歴代の名レンズのボケをデジタルでシミュレーションしたポートレート撮影をアピールするなど、こちらもアナログの技術をデジタルで再現した。実はソニーもツァイスと提携を行っているが、レンズの反射コーティング「T*コーティング」が目立っている程度。絵作りの面でも協業は行われているだろうが、vivoのようにツァイスの技術をそのままスマートフォンで再現はしていない。ツァイスのブランドを背負うことでグローバルに進出しようと考えているvivoと、すでに名前の知られているソニーでは光学機器メーカーとの連携に対して温度差があるということだろう。

一方、サムスン電子の「Nightography(ナイトグラフィー)」のように、夜間の写真や動画撮影性能を高め、ノイズが少なく明るい“映える夜景”の絵作りも各メーカーが強化している。前述したvivoは「ステージモード」を搭載し、暗いコンサート会場のステージ上で演奏したりダンスをする演者がまるで目の前にいるような臨場感あふれるデジタルズーム動画を撮影できる。各社のカメラ性能の競争は日中ではなく夜間や暗いシーンでの絵作りにフォーカスしているのだ。
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