トヨタが賞与5カ月で満額回答、次の焦点は賃金制度見直し
トヨタ自動車は14日、2012年春闘の年間一時金(ボーナス)交渉で、「基準内賃金の5カ月プラス3万円」(約178万円)という労働組合要求を受け入れ、妥結した。前年水準を3万円下回るが、2年連続の満額回答となる。また、要求が提出された2月15日の時点では慎重姿勢を示していた賃金制度維持分(定期昇給)についても、組合の要求を受け入れた。
妥結後に記者会見した人事・総務担当の宮﨑直樹常務役員(写真)は、「単独決算の赤字が続く中で5カ月は高いという問題意識は残る」としながら、東日本大震災後の挽回生産や夏場の土日操業に対する組合員の協力に報いる姿勢を強調した。
今後は、60歳以降も希望者の雇用が義務づけされることを前提にした賃金制度の見直しが焦点となる。春闘交渉のしめくくりには、小澤哲副社長が「国内生産300万台を維持し、雇用を守るには働き方改革を一層進めねばならない。経営環境や働き方が大きく変化しているなかで、賃金などのあり方も中長期的に維持可能なものとするべく検討していく必要がある」と発言。2004年を最後に改定していない賃金制度の見直しに向け、組合に話し合いを呼び掛けた。
宮﨑常務役員は、再雇用者の増加が若年層の採用減につながる可能性を指摘。具体的な見直しの内容については「まず会社側で賃金制度の問題点を洗い出す」として明言を避けたが、総人件費の削減も視野に入れた抜本的な改革を進める考えを示唆した。
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