「ゴジラ」「ヒロアカ」「呪術廻戦」・・・映画・アニメで無双する<シン・東宝>がエンタメの新しい主役に急浮上した裏側

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
過去最高の業績を更新する東宝。アニメと海外の開拓を強化し、新たなステージに突入する(撮影:今井康一)

スクリーンに映し出される、たけだけしいシルエット。大きく口を開くと、映画館から飛び出さんばかりのボリュームで、咆哮を響かせる――。

今や国内外で人気を博すゴジラ。その日本を代表する怪獣を生み出した企業が、エンタメ・IP(知的財産)産業の“怪獣”として、市場を席巻しつつある。

映画もアニメも好調

4月14日、映画配給で国内最大手の東宝が2025年2月期決算を発表。売上高3131億円(前期比10.5%増)、営業利益646億円(9.2%増)と、いずれも過去最高を更新した。

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が興行収入158億円、ヒットすればリターンの大きい自社幹事作品である『変な家』が同50億円と、配給ラインナップで大ヒットを連発。他社との共同配給作品を含めると、2024年度における邦画興行収入トップ20のうち、実に14作品を東宝配給が占めた。

看板である映画配給に負けじと、収益を押し上げているのがアニメビジネスだ。「僕のヒーローアカデミア」や「呪術廻戦」、「ハイキュー!!」 といった、人気シリーズの配信権や商品化権が大きく伸長した。アニメビジネスを中心とする映像事業の営業利益は189億円と、前期比20%の成長を見せた。

東宝は、2023年2月期から3カ年の中期経営計画で、コロナ禍直前に達成した過去最高の営業利益528億円の更新を目標に掲げていた。ふたを開けてみれば、アニメビジネスの急成長や2023年に公開した『ゴジラ-1.0』のヒットなどにより、この目標を2年目で軽々と達成。最終年度の2025年2月期にはさらなる好業績をたたき出し、大躍進の3年間となった。

次ページ「最高のパフォーマンスを発揮」
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事