ホンダ、カナダのEV工場を発表から1年で延期へ。アメリカでのEV販売が急失速、「脱エンジン目標」も見直しか

ホンダのEV(電気自動車)戦略に逆風が吹いている。
「カナダのEV専用工場年間24万台の生産能力、バッテリー工場36GWh(ギガワットアワー)、総投資額は150億カナダドル(約1.5兆円)、2028年の稼働を目指して発表したが、北米でのEV市場の成長鈍化を踏まえて2年程度延期する」
ホンダの三部敏宏社長は5月13日に開いた決算説明会でそう明らかにした。
1.5兆円を投じる一大構想だった
カナダ・オンタリオ州にEV専用工場を建設すると発表したのは2024年4月。韓国ポスコや旭化成と組んだ電池部材の工場、自社による電池工場、EV工場までを包括する、ホンダとして過去最大規模となる1.5兆円を投じる一大構想だった。
EV工場には、ホンダが社内で練り上げている次世代EV(電気自動車)の生産ライン技術「MFD‐BEV」を初めて量産工程に反映させるはずだった。MFDはモジュール・フレキシブル・デジタルの頭文字を取ったもので、部品の共通化や生産ラインの自動化、デジタル化を追求した「ホンダの生産技術をすべて注ぎ込んだ次世代工場の象徴」(ホンダ生産部門幹部)と位置付けられている。
投資延期の背景の1つにはアメリカでのEV販売の急失速がある。
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