【最新のハーレーダビッドソン像とは】「X500」「パンアメリカ1250ST」「ストリートグライドウルトラ」乗り比べてわかった個性と進化

ハーレーダビッドソン最大排気量となるエンジンの着火性もスターターモーターを押せば1発でかかり、あの独特のバイブレーションのアイドリングがスタートする。走行モードは、レインモードとストリート、さらにスポーツモードが用意されているが、今回の試乗コースは横浜市街地だったこともあり、意外にレインモードが一番扱いやすかった。十分にトルクと出力があるので、バゲッジ満載でのタンデムライドでない限りは、筆者にはレインモードで十分なエンジンパフォーマンスに感じた。
最高出力107HP、最大トルク175Nmは、この大きな車体を軽々と走らせてくれる。スポーツモードにしてしまうと、アクセルの反応が敏感すぎる印象で、大きな車体がどんどん前に進もうとするほどだ。軽く進んでしまうので、速度調整のためにスロットルを戻さなくてはならなくなり、結局のところ、ギクシャク感が出てしまう。このサイズでの不要な前後ピッチは、不愉快以外の何物でもないので、右手には多少ディレイした感じでも、パワフルなエンジンだけに十分と言える。
大きくて乗りづらいは過去のものに

フロントに採用されているショーワのサスペンションは非常にストロークがあり、今までのハーレーダビッドソンとは違ったものだ。近代のハーレーダビッドソンは、過去の印象から脱却して、乗りやすさと扱いやすさ、信頼性、そこから安定性、安全性までのトータルなアプローチを達成しているともいえる。

乗り心地がよく、ブレーキのコントロール性能もライダーがわかりやすい。今回は2人乗りのテストはできていないが、左右のパニアケース、そしてトップケースをつけて、ぜひパートナーを後ろに乗せて走ってみたい。それが、このストリートグライドウルトラの神髄と考える。
そして外観面で特徴的なのがフロントのフェアリングで、ハーレーダビッドソンは長きにわたり、70年代からこの形状を継承してきた。ウインドウプロテクションという意味でも効果的で、ライダーに負担をかけないグランツーリスモの王者といえる1台だ。
今回は、キャラクターの異なる3モデルに試乗したが、それぞれにハーレーダビッドソンの伝統を残しながらも、ユーザーの声に耳を傾け、新たな一面を見せてくれた。
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