【最新のハーレーダビッドソン像とは】「X500」「パンアメリカ1250ST」「ストリートグライドウルトラ」乗り比べてわかった個性と進化

乗ってみるとわかるが、今までの主力製品であるVツインエンジンのマシンとの比較は完全に意味がなく、ハーレーダビッドソンが発信するのは、ネクストジェネレーションに向けた同社の新しい提案と感じられる。これが成功するか否かは、いかに情報を発信していくかだろう。また、今までのヘビーユーザーとのすみわけも必要だろう。これまでのハーレーダビッドソン像とは異なる、スタイルや走り、またユーザーがどう捉えるのかについては、今後のハーレーダビッドソンに期待したい。
「パンアメリカ1250ST」試乗インプレッション

史上最強のハーレーダビッドソンと思わせる水冷Vツインエンジンは、シンプルにパワフルの一言に尽きる。最大出力152HP、最大トルク127Nmを誇り、今回はオンロードのみ、かつスポーツモード固定で走行。乗ってみて感じたのは、市街地ではとてもフルスロットルにできないレスポンスの良さだ。
そんなパンアメリカ1250STに乗ると、1995年にAMAスーパーバイク選手権に参戦していたVR1000R(ハーレーダビッドソン社ワークスマシン)の活躍を思い出した。路面の悪いオンロードコースであったが、同社のワークスライダーであるクリス・カー選手がポールポジションを獲得し大きな話題になったシーンと重なった。

パンアメリカ1250STは、そのときのエンジンと同等の走りを感じさせるもので、洗練されたドライバビリティがあった。言い換えれば、当時ワークスでチャレンジしていた技術が、さまざまな経緯を乗り越えて、我々が本当に使える市販車に仕上がったともいえる。
目の前にたたずむマシンは、一見すると乗り手を選びそうな存在感だ。メーターまわりは今までのハーレーダビッドソンとは異なり、現代のスポーツバイクと同様に、パワーモード表示やトラクション表示などの情報をライダーに提供してくれる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら