欧州自動車市場で「中国製PHV」販売急増の背景 追加関税かからず、中国メーカーが積極投入

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BYDのPHV販売台数は、(反補助金関税の影響がない)中国市場でもすでにEVを凌駕している。同社が販売したPHVは2025年1月から4月までの累計で約74万7000台(訳注:国内販売と輸出の合計)に達し、EVの約61万2000台に2割以上の差をつけた。

BYDはヨーロッパ市場に2車種のPHVを追加投入する。写真はドイツのベルリンで開店準備を進めるBYD販売店(ドイツの販売代理店のウェブサイトより)

ヨーロッパ市場に関しては、現時点でBYDが投入済みのPHVは前出のシールU DM-iだけだ。しかし市場の反応に手応えを得て、同社はさらに2車種のPHVを2025年中に発売すると予告している。

EVよりも利幅大きく

EUは2024年7月、中国製EVに対する反補助金関税の暫定適用を開始し、同年11月から5年間の正式適用に踏み切った。この時点では、中国製PHVはヨーロッパ市場にほとんど輸出されておらず、反補助金調査の対象にならなかった。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

反補助金関税は、ヨーロッパ市場における中国メーカーの利益を強く圧迫している。例えばBYDには17%の反補助金関税が課せられており、通常の自動車輸入関税(10%)との合計関税率は27%に上る。

同社のシールUのメーカー希望価格は、ドイツではEV版が3万7990ユーロ(約623万円)から、PHV版が3万9990ユーロ(約655万円)からと、ほぼ同水準に設定されている。だが関税率の違いを考慮すると、PHV版の利幅がEV版を大幅に上回るのは間違いない。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は5月9日

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