円高や関税の逆風で際立つトヨタの"強さ"……「われわれの事業構造からすればジタバタしなきゃいけない状況にはない」

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一方で、宮崎副社長が「(価格について)お客様が決めるもの。競合や実需の状況を見ながら、お客様の需要が強くて『もっと高くてもいいのでは』って言っていただけるものについては値上げをしていくので、そういうものを見極めながら的確なタイミングで対応したい」とも語っている。

人気のハイブリッド車(HV)を揃えるトヨタはアメリカ市場で高い競争力を持っている。足元の在庫水準は低く、利益圧迫要因となるインセンティブ(販売奨励金)も抑制できている。フォードなどすでに値上げを打ち出したライバルもあるため、トヨタならば一定の値上げやインセンティブの一段の抑制によって関税影響を緩和することは可能だろう。

際立つトヨタの強さ

生産面での対応も考えられる。「アメリカにお客様がたくさんいる。短期的には仕向けの調整のようなことをしながら対応していくことも考え、中長期的には現地のお客様に適した商品を現地で開発して現地で生産していく形をしっかりとっていく」(佐藤社長)と、アメリカでの生産拡大による関税回避も視野に入れる。

注目されたトランプ関税の影響について、4~5月の2カ月で1800億円の減益要因と見込む(写真:尾形文繁)

実際、アメリカでは南部のウェストバージニア工場にHV用部品の生産ラインを8800万ドル(127億円)投じて設置するなど能力増強の動きも見せている。

そもそも関税影響が1兆円程度利益を押し下げたとしても営業利益は3兆円規模で、営業利益率は6%強となる。トランプ関税や円安一服といった事業環境の厳しさ、他社の状況を考えれば、むしろ際立つのはトヨタの強さだ。

「関税の影響については今の足元の収益状況、われわれの事業構造からすればジタバタしなきゃいけない状況にはない」といった宮崎副社長の発言からも、トヨタが現在の収益力に自信を持っていることがうかがえる。

本記事はダイジェスト版です。詳報記事は「東洋経済オンライン」のサイト上でご覧いただけます。

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横山 隼也 東洋経済 記者

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よこやま じゅんや / Junya Yokoyama

報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

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