【誰でも乗りやすい、最新スーパースポーツ発売間近】次世代フラッグシップとして注目が集まるヤマハ「YZF-R9」に熱視線
車体では、新型アルミフレームを採用。緻密な減衰コントロールが可能な前後KYB製新型サスペンションなどの搭載で、軽快なハンドリングに貢献する。ちなみに車体サイズは、欧州仕様車の場合で、全長2070mm×全幅705mm×全高1180mm、ホイールベース1420mm。YZF-R1/R1M(国内仕様車)が全長2055mm×全幅690mm×全高1165mm、ホイールベース1405mmだから、全体的にYZF-R9のほうがやや大柄だ。

ただし、シート高は、YZF-R1/R1Mが855~860mmなのに対し、YZF-R9は830mmと低い。しかも、YZF-R9のリアサスペンションは着座時の沈み込み量が多いため、足着き性も良好だ。今回のショーでは、実際に両モデルにまたがることができたのだが、YZF-R1/R1Mのリアサスペンションは、着座時にあまり沈まないため、身長164cmの筆者では、片足でもつま先立ちとなる。ショーモデルでは、車体が固定されていたため問題なかったが、実際の公道では、停車時もバランス取りが大変だといえる。
一方、YZF-R9は、両足でもカカトが多少浮く程度。片足ならほぼカカトまで地面に着くため、足着き性も安心だ。こうしたリアサスペンションの違いは、おそらく、YZF-R1/R1Mはサーキット走行を重視しているのに対し、YZF-R9は公道走行にも配慮しているためだろう。もちろん、YZF-R9のサスペンションも、プリロードや減衰力の調整ができるから、走る場所や路面状況などに応じてセッティング変更は可能だ。
公道走行も考慮した味付け

YZF-R1Mでは、オーリンズ製電子制御サスペンションを採用するため、走行状況に応じて減衰力などを統合制御することも可能。とくに、サーキット走行でのポテンシャルをより高めることが可能だといえる。この点からも、サーキット走行により特化した装備を持つのがYZF-R1/R1M、公道走行も快適になるマイルドな味付けとなっているのがYZF-R9だといえよう。
ただし、YZF-R9も市販車ベースの世界的レース「WorldSSP(FIMスーパースポーツ世界選手権)」に2025年シーズンから参戦しており、好成績を残している。このレースは、4気筒600cc以下、3気筒675cc以下、2気筒750cc以下の4ストロークエンジンを搭載した公道用バイクをベースにしたマシンで行われるものだが、近年は競技規定の変更により、より排気量の大きなマシンも参戦。トライアンフの765ccの「ストリートトリプルRS」やドゥカティの955ccの「パニガーレV2」なども疾走し、好成績を残している。
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